[DHM016]人文情報学月報
2011-08-27創刊
人文情報学月報
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄Digital Humanities Monthly
2012-11-28発行 No.016 第16号
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◇ 目次 ◇
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◇「人文情報学がもたらした恩恵」
(三宅真紀:大阪大学大学院言語文化研究科)
◇人文情報学イベントカレンダー
◇イベントレポート(1)
「地理情報システム学会第21回研究発表大会」
(清野陽一:京都大学大学院人間・環境学研究科)
◇イベントレポート(2)
「計量国語学会第56回大会シンポジウム『計量国語学に望むもの』」
(高田智和:国立国語研究所)
◇イベントレポート(3)
「英語コーパス学会第38回大会」
(田畑智司:大阪大学大学院言語文化研究科)
◇イベントレポート(4)
「TEI Members' Meeting 2012参加報告」
(永崎研宣:人文情報学研究所)
◇イベントレポート(5)
「TEI Members' Meeting 2012」
(James Cummings:オックスフォード大学)
(日本語訳:永崎研宣・人文情報学研究所)
◇イベントレポート(6)
「じんもんこん2012参加報告」
(永崎研宣:人文情報学研究所)
◇イベントレポート(7)
「第2回歴史コミュニケーション研究会における報告」
(菊池信彦:国立国会図書館関西館)
◇編集後記
◇奥付
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【人文情報学/Digital Humanitiesに関する様々な話題をお届けします。】
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◇「人文情報学がもたらした恩恵」
(三宅真紀:大阪大学大学院言語文化研究科)
1.情報化時代における人文学研究
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情報化社会の促進にともない、情報処理技術の指数関数的な発展、ならびに、デ
ジタル・メディアの浸透は、人文学研究の有様にも多大な影響を及ぼしてきました。
これまで一部の限られた研究者にしか手にすることができなかった一次史料が、開
かれたものになるという素晴らしい功績をもたらした一方で、専門知識の乏しい門
外漢が軽々しく人文学研究を論じることにより、結果的に学術研究の質の低下に繋
がるという問題点も生じてくることが考えられます。かくいう私も、ど素人のくせ
に新約聖書学に手を出している門外漢でありますが。今回は、聖書学の分野での動
向を踏まえつつ、これまで自分が研究を遂行するなかで受けてきた人文情報学の恩
恵について、僭越ながら報告いたします。
2.貴重資料のデジタルアーカイブ化
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これは、人文学研究全般に通じることだと思いますが、世界的な情報化社会の現
象によって受けた一番の恩恵は、自分の足を動かすことなく、クリック1つで、貴
重な資料にアクセスできるようになったことではないでしょうか。インターネット
の環境さえ整っていれば、場所や時間を問わず、いつでも好きなときに、写本や文
献資料を確認することができるという、ユビキタス環境下での研究が実現されてお
ります。さらに、多くのサービスが無料で提供されており、私のような研究費予算
が乏しいものにとっては、ただただ感謝の一言に尽きます。
このような有り難いサイトを幾つか紹介いたしますと、日本では慶応義塾大学HUMI
(HUmanities Media Interface;現EIRI)プロジェクト(*1)があります。このプ
ロジェクトでは、人文科学研究における新しい情報伝達手段の導入を目標として掲
げており、慶應本グーテンベルク聖書とケンブリッジ大学図書館が所蔵するグーテ
ンベルク聖書のファクシミリ版のオンライン閲覧サービスを提供しております。こ
の貴重書を所蔵している機関では他に、大英図書館(*2)、ゲッティンゲン図書館
(*3)が、それぞれ所蔵する版を公開しており、初期印刷本である15世紀のラテン
語聖書の装飾の特徴や版による段組みの違いなどを比較することができます。
文献のデジタルアーカイブ化の流れは、写本のデジタル化にとどまらず、校訂本
聖書にまで及んでいます。現在の新約聖書学では、ネストレ・アーラント版が、最
も水準の高い校訂本として知られるところではありますが、待望の第28版が今年9月
に出版されました。(*4)驚くべきことに、校訂テキストの本文箇所は無料でオン
ライン公開されております。
3.研究道具の簡易化
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聖書に限ったことではありませんが、古典文献の扱いにおいて、アパラトゥス(
欄外注の異読情報)の解読が、厄介な作業の一つとして挙げられるのではないでしょ
うか。私などは、いまだにアパラトゥスを使いこなせない落第生でして、四苦八苦
しながら異本箇所の解読に取り組んでおります。遠い昔の学生時代ですが、最研究
テーマとしてまっさきに思いついたのが、アパラトゥス情報からのテキスト復元ア
プリケーションの開発でもありました。その後、ミュンスター大学新約聖書本文研
究所が中心となっているネストレ・アーラントのデジタル化プロジェクト(Digital
Nestle-Aland)(*5)の存在を知り、研究テーマを変更しました。最近では、有償
サービスになりますが、iPhone用のアプリ「Codex for iPhone」(*6)がBlessmee
社から販売されており、アパラトゥスの脚注記号の解説や、記号から写本情報が閲
覧できる、とても便利な写本辞典の機能が付いております。
先に述べましたネストレ・アーラント第28版は、デジタル本の発売も予定されて
おり、主要写本や異本テキストの表示機能も搭載される模様で、発売が待ち遠しい
です。
従来の聖書学においては、アパラトゥスを使いこなせることが聖書研究者となる
必須条件に含まれていたのではないかと思いますが、暗号のような複雑な記号標識
に捕われることなく、テキストの異同を確認できる補助道具の出現によって、研究
のあり方にも変化をもたらしているのではないかと考えます。
【参考サイト】
(*1)慶應義塾大学HUMIプロジェクト
http://www.humi.keio.ac.jp/jp/
(*2)大英図書館所蔵グーテンベルク聖書
http://www.bl.uk/treasures/gutenberg/homepage.html
(*3)ゲッティンゲン図書館所蔵グーテンベルク聖書
http://www.gutenbergdigital.de/bibel.html
(*4)ネストレ・アーラントギリシャ語新約聖書第28版(オンライン版)
http://www.nestle-aland.com/en/read-na28-online/
(*5)ネストレ・アーラントのデジタル化プロジェクト
http://nestlealand.uni-muenster.de/
(*6)iPhone用のアプリ「Codex for iPhone」
http://blessmee.com/ja/products/codex/
執筆者プロフィール
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三宅 真紀(みやけ・まき)大阪大学大学院言語文化研究科准教授。日本デジタル・
ヒューマニティーズ学会、情報処理学会運営委員、人文科学とコンピュータ研究会
運営委員。最近の研究テーマは、計算工学・文献学を融合した数理文献学的アプロー
チによる近代ギリシャ語新約聖書校訂本の比較分析研究。
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◇人文情報学イベントカレンダー(■:新規イベント)
【2012年12月】
□2012-12-01(Sat)~2012-12-02(Sun):
第1回 アジア歴史地理情報学会 国際会議
(於・東京都/東京大学本郷キャンパス)
http://www.l.u-tokyo.ac.jp/~angisj/
■2012-12-02(Sun):
アート・ドキュメンテーション学会 2012年度年秋季研究発表会
(於・東京都/印刷博物館)
http://www.jads.org/news/2012/20121202.html
■2012-12-18(Tue):
国立国会図書館 講演会
「HathiTrustの挑戦デジタル化資料の共有における『いま』と『これから』」
(於・東京都/国立国会図書館)
http://www.ndl.go.jp/jp/event/events/20121218lecture.html
□2012-12-22(Sat):
人文系データベース協議会 第18回 公開シンポジウム
(於・大阪府/大阪電気通信大学寝屋川キャンパス)
http://www.osakac.ac.jp/jinbun-db/5.html
【2013年1月】
□2012-01-25(Fri):
第97回 人文科学とコンピュータ研究会発表会
(於・東京都/東京大学 史料編纂所)
http://jinmoncom.jp/
Digital Humanities Events カレンダー共同編集人
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小林雄一郎(大阪大学大学院言語文化研究科/日本学術振興会特別研究員)
瀬戸寿一(立命館大学衣笠総合研究機構PD)
佐藤 翔(筑波大学図書館情報メディア研究科)
永崎研宣(一般財団法人人文情報学研究所)
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◇イベントレポート(1)
「地理情報システム学会第21回研究発表大会」
: http://www.gisa-japan.org/conferences/
(清野陽一:京都大学大学院人間・環境学研究科)
地理情報システム(Geographical Information System:GIS)学会第21回研究発
表大会が2012年10月13・14日(土・日)に広島県の広島修道大学にて開催された。
当日はGISに関する研究発表が多数行われ、活況を呈していた。
当学会はGISにかかわるあらゆる理論的・応用的研究を行い、議論し、発展させて
ゆくことを目的としている[1]。その研究範囲は広範囲に及んでおり、今回の大会
で設置されたセッションだけを見ても、土地利用、防災(情報整備、分析、リスク
評価、防災計画、被害予測)、データ作成、データ精度、データ取得、歴史・考古、
理論、システム開発、移動データ、教育、地域分析、自然・環境、居住、データベ
ース構築、施設配置、移動行動分析、自治体、可視化などがあり、この他にも特別
セッションが9つ、国際シンポジウムが2つ、ハンズオン・セッションが3つ開催され
るという大規模なものである。改めて、あらゆる分野で地理情報が活用されており、
今やあらゆる分野の研究においてGISの利用やそれを用いた分析が避けては通れない
状況になっていることがこれを見るだけでも分かるだろう。
なお、筆者は共同発表者として名を連ねる研究発表もあったのだが、基本的には
OSGeo財団日本支部[2]のメンバーとして参加した。下記のような活動への参加も
あったため、研究発表の方はあまり参加できなかった。本報告でも、以下のFOSS4G
分科会[3]の活動を中心にお伝えする。
OSGeo財団[4]とは、FOSS4Gと呼ばれる、自由(Free)でオープン(Open)なGIS
ソフトウェアやデータの開発を支援し、普及を促進するために2006年に設立された
団体である。現在、世界規模で活動しており、各国に支部も設立されている。日本
支部は2006年に設立され、活動を開始した。FOSS4GとはFree and Open Source
Software for Geospatialの略で、オープンソースの地理情報システムソフトウェア
(GIS)群である。FOSS4Gはソースコードも含めて公開されており、入手・再配布が
自由で、導入・運用が低コストで行えるだけではなく、利用者が自らソフトウェア
の検証・改善・メンテナンスを行うことが出来る。
GIS学会にはFOSS4G分科会というものがあり、このFOSS4Gの普及を促進するために
2010年から、特別セッションやハンズオンセミナー(実際のソフトウェアを操作す
る講習会)の開催を行なっている。FOSS4G分科会には多数のOSGeo財団日本支部のメン
バーも参加している。
FOSS4G分科会は、今回のGIS学会研究発表大会では、機器展示コーナーのブース出
展、特別セッション、ハンズオンセミナーを行った。
機器展示コーナーブースでは、多数のジオ系オープンソースソフトウェアが格納
されているOSGeoLive、文部科学省委託研究「FOSS4Gを活用した衛星データ利用のた
めのオープン・リソースの構築」の最終成果展示、配布を中心に地理空間情報に関
するオープンソースソフトウェアの実演、さらにはOSGeo財団日本支部関係者が執筆
した書籍の紹介などを行った。
また、大会前日には広島市内で会議室を借り、入門者向けのQuantumGIS(QGIS)
[5]のハンズオンセミナーを開催し、また大会期間中には統計解析向けプログラミ
ング言語R[6]をGISとして用いる方法のハンズオンセミナーを開催した。
さらに、大会初日には「FOSS4G日本語ローカライズの現状と課題」として特別セッ
ションも主催した。FOSS4Gは全世界で開発がなされているため、基本的に開発にま
つわるコミュニケーションやユーザーインターフェースの言語は英語になる。しか
し、その普及促進のためにはソフトウェアのインターフェースやマニュアルなどを
各国語に翻訳する作業(ローカライズ)が大きな役割を果たす。そこで、その活動
事例や方法を紹介し、今後の活動における課題を検討した。
一昔前まではGISソフトウェアと言えば非常に高額で、機関や組織に導入され、そ
こに属している人だけが使えるものであった。しかし、インターネットの普及を経
て、FOSS4Gを中心としたFree/Libre Open Source Software(FLOSS)の普及により、
個人でも最先端の分析が行えるツールを利用できる環境が整ってきている。GIS学会
においては最初期からGISを利用している研究者も多くを占めているため、依然とし
てプロプライエタリなGISを利用した研究も多いが、ここ数年でFOSS4Gを始めとした
自由でオープンなGISを利用した研究発表も若手研究者を中心に増えてきている。特
に、自由でオープンなソフトウェアは業界内において標準的な仕様にいち早く準拠
してその開発が行われることが多かったり、採用しているファイル形式も仕様がオ
ープンなものが多いため、データのやり取りなどの面で透明性が高い。この点で、
多人数でのプロジェクトや、組織横断的なデータのやり取りを行わなければならな
いようなプロジェクトなどではその恩恵を受けやすいことから、近年の研究プロジェ
クトの大規模化・多様化・複雑化の中で、積極的に採用している例も増えてきてい
る。また、イニシャルコストもかからないことから、入門者や学生、導入に当たっ
て予算確保が難しい組織も、トライしやすく、ライセンス問題なども無いため、組
織の建物の外(例えば自宅など)での自学自習にも利用しやすい。そして、ソース
コードを含めて全てが公開されており、改変・再配布も自由であることから、成果
をあまねく世界に公開すべき科学研究分野においてはその採用によるメリットは計
り知れないものがある。
OSGeo財団日本支部およびFOSS4G分科会では今後も自由でオープンなGISソフトウェ
アの普及をあらゆる側面から支援していきたいと考えており、また導入に当たって
の相談も、メンバーを中心に積極的に受け付けている。地理空間情報を扱いたいと
思っている研究者はここに参加したならば、これに関連する情報の収集だけでなく、
関心を持つ異分野の研究者同士での新たな出会いなど、様々な収穫を得られるだろ
う。そうした営みを通じて、GISがより普及し、発展していけば幸いである。
[1]http://www.gisa-japan.org/
[2]http://www.osgeo.jp/
[3]https://sites.google.com/site/foss4gsig/
[4]http://www.osgeo.org/
[5]http://qgis.org/
[6]http://www.r-project.org/
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◇イベントレポート(2)
計量国語学会第56回大会シンポジウム「計量国語学に望むもの」
: http://www.math-ling.org/
(高田智和:国立国語研究所)
2012年9月29日(土)に、名古屋大学を会場に、計量国語学会第56回大会が開催さ
れた。この大会では、通常の研究発表会に加えて、「計量国語学に望むもの」と題
してシンポジウムが開かれた。筆者は、計量国語学会の理事を務めているが、ここ
では、学会の運営者というよりは、計量国語学会の一会員(会員歴10年程度)とし
て、参加した聴衆の一人として、シンポジウムの参加記録を書いてみたい。
計量国語学会は、「数理的方法による国語研究の進歩をはかり、言語に関係があ
る諸科学の発展に資する」を目的に、半世紀以上も前に設立された学会である。広
く言語の研究発展をめざした学会は、言語系学会連合に加盟する団体だけでも30を
超え、その中でも、計量国語学会は設立年次が古いほうになる。また、設立当初か
ら、計量国語学会には、文系の言語研究者だけでなく、理工系の研究者も参加して
いる。学際とか、融合とか、複合とか、そういったことが、学術の業界で、スロー
ガン的に広く言われる前から、文系研究者と理工系研究者とが一緒にやってきたの
が、計量国語学会の特色の一つである。
さて、現今の学会をとりまく状況は、深刻である。分野を問わず、会員数が減っ
てきている学会が多いと聞く。学会の主要な活動である、機関誌の編集・発行や、
研究発表会の開催は、会員からの会費で賄われているのだから、会員数の減少は、
学会の運営と存続に直結する。工学系の一部の学会では、ソーシャルネットワーク
や検索エンジンの発展によって、専門家同士が集い、研究成果を発信する場として
の学会は、やがてなくなる、いらなくなるといった、「消えゆく学会」という問題
が議論されている。また、機関誌のオープンアクセス化や、国際発信力の強化など、
学術政策への対応も、直近の課題である。
このような学会をとりまく深刻な状況をうけて、程なく還暦を迎える計量国語学
会はどうあるべきなのか、どうしていったらいいのかを、関連団体から提言をもら
い、会員が集う大会の場で議論しようというのが、シンポジウム「計量国語学会に
望むもの」の開催趣旨である。
シンポジウムの登壇者と報告題目は、次のとおりである。
1.荻野綱男(計量国語学会会長)「計量国語学(会)の今後」
2.生越直樹(東京大学・社会言語科学会会長)「計量国語学会と社会言語科学会」
3.白井英俊(中京大学・言語科学会事務局長)「計量国語学に望むもの」
4.金水敏(大阪大学・言語系学会連合運営副委員長)「言語系学会連合から計量国
語学会に望むこと」
5.真田治子(立正大学・国際計量言語学会理事)「計量国語学に望むもの―国際計
量言語学会(IQLA)からのメッセージ―」
1.荻野報告は、シンポジウムに先立って実施された、計量国語学会会員向けアン
ケートの結果報告である。アンケートには、「消えゆく学会」問題や、国際学会に
対しての国内学会の存在意義と役割など、学会全般に関する質問と、計量国語学会
の今後の活動に対する予想をきく質問があった。会員の意見の全体傾向は、現状維
持的であったと分析が報告された。このアンケートの結果は、いずれ『計量国語学』
誌上で公表されることであろうから、学会運営に携わっている方など、関心のある
方はぜひご覧いただきたい。計量国語学会以外の学会でも、同様のアンケートが行
われると、もっとさまざまなことが見えてくるのではないかと思う。
社会言語科学会と計量国語学会とは、言語研究者だけで「ことば」を扱っていな
い点が共通する。2.生越報告では、両学会の違いは、話し言葉を主たる分析の対象
とする社会言語科学会、書き言葉を対象とする計量国語学会と指摘し、縁遠さを指
摘する。一方で、計量的な手法は両学会で共有できるものだから、計量国語学会に
は新たな手法を積極的に提案してほしいとの提言があった。また、計量国語学会に
多く見られる、書き言葉のコーパス、あるいは歴史的な文献をデータにした語彙的
な研究は、分野としての狭さを感じさせるが、蓄積された特色をさらに伸ばすのも
今後のあり方の一つであるとの提言もあった。
3.白井報告は、情報科学、情報工学、言語工学、自然言語処理など、いわゆる理
工系研究者からの提言である。計量国語学会は、言語処理のような応用研究におい
てデータとして利用される、言語資料の分析についてきちんと議論ができる場であ
ると指摘し、その上で、理工系研究者向けの啓蒙的な解説や、言語教育や計算機応
用の解説を発信し、研究交流の場を提供してほしいと提言した。
4.金水報告は、言語系学会連合からの提言である。言語系学会連合は2010年に設
立され、言語系の学会間の交流や、言語系学会全体の社会貢献を促進させることを
目的としている。計量的手法によって明示的に示された日本語の姿は、これからの
日本語をより使いやすく、わかりやすいものにしていく上で大きな役割を果たすと
指摘し、言語系学会全体の社会貢献に積極的に寄与してほしいと期待を述べた。
5.真田報告は、国際学会から見た、日本の国内学会である計量国語学会に対する
提言である。言語計量研究に関する国際学会である国際計量言語学会は、1991年に
設立され、現在の会員数は約50名とのことである。50年以上の歴史があり、一つの
国を中心に約400名の会員がいる計量国語学会の存在は、国際計量言語学会から注目
と驚きをもって迎えられているとの報告は、とても印象的であった。国際計量言語
学会からは、日本の言語計量研究を、英語で発信してほしいと要望があり、国際間
の(ヨーロッパとの)研究交流の重要性が提言された。
5件の報告に続いて、会場の参加者からも意見があった。機関誌の電子媒体での発
信(必ずしも無料でなくてもよい)や、計量研究の方法や手法、ツールについての
講習会やワークショップ開催について、要望が寄せられた。
最後に私見を述べる。「計量国語学」は、おそらく学問分野の名称ではない。こ
とばを数えるという手法を共有する研究者たちが集まったものが、計量国語学会で
ある。ゆえに、この手法の興廃が、計量国語学会の興廃に、いちばん強く影響する
のではなかろうか。
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◇イベントレポート(3)
英語コーパス学会第38回大会
: http://english.chs.nihon-u.ac.jp/jaecs/
(田畑智司:大阪大学大学院言語文化研究科)
9月29日、30日の2日間、大阪大学豊中キャンパスにて英語コーパス学会第38回大
会が開催された。今大会は(前身の英語コーパス研究会時代の4年間を合わせ)学会
設立20年の節目に当たる記念大会となった。
大会2日間を通して午前中には、ワークショップが行われ、50名を超える参加者が
集まった。従来、当学会のワークショップでは、CALL教室などを利用して初心者か
ら中級者を対象に、KWICコンコーダンサーや統計解析パッケージ、言語処理ウェブ
サービスなどの活用法を説くものが多かったが、今大会では敢えてコンピュータを
使わずに、British National Corpus(BNC)のXMLマークアップやアノテーションを
「読む」ことに主眼を置いた講義と講習が展開された。
ワークショップ第1部「BNCを読む―機械を使わずしてコーパスの構造を理解する
―」では豊田工業高等専門学校の高橋薫氏が講師を務め、力作の分厚いハンドアウ
トをもとに、BNCを構成する標本テクストのマークアップを分類整理して解説した。
高橋講師は、例えば、話し言葉を収録したSpoken Component(口語英語サブコーパ
ス)において、話者・対話参与者の性別、年齢層、社会階層、学歴、出身地、母語
などの社会言語学的情報や、会話テクストの文献情報がどの程度詳細に記述されて
いるか、具体的にどのようなタグが用いられているのか丁寧に説明を行った。
2日目、第2部「XML文書としてのBNCの利用法」では、北海道大学の園田勝英氏が
講師を務めた。園田講師は、XML文書としてのBNCの真価を発揮させるために有益な
処理系として、どのようなツールやサービスがあるか紹介するとともに、XML文書か
ら分析対象とする言語項目や情報を引き出すためのプログラミングにも言及した。
また、フロアから人文情報学研究所の永崎研宣氏が高機能XMLエディタの
を、デモを交えて紹介し、XMLマークアップが施されたテクストの処理方法を補足し
てくれるなど、有益な情報交換が行われた。
研究発表では、コーパスならびコンコーダンスを活用した教育実践と学習支援、
ツールおよびコーパス開発、派生語・類義語の研究、コーパスに基づく認知言語学
的研究、近代英国小説の文体分析など、バラエティに富むトピックが論じられた。
近年のコーパス言語学の広がりを如実に反映していると言ってよいであろう。登壇
者とタイトルは以下の通り。中條清美(日本大学)他3名「二言語コンコーダンサー
WebParaNewsとAntPConcを利用したDDL授業の実践」、Laurence Anthony (早稲田大
学)“Advancing AntConc: Design and Performance Improvements for Multi-
Language, Multiplatform Corpus Analysis by Researchers, Teachers, and
Language Learners”、Yukio Tono (東京外国語大学)“The design, development
and purpose of the International Corpus of Crosslinguistic Interlanguage(I
CCI)”、岡田晃(大東文化大学)「派生における新語形成についての考察―否定接
頭辞付加派生語の場合―」、石井昌子(京都大学大学院生)「性格の違いは使用さ
れる語にいかに現れるか―二人の福音派牧師の比較」、木山直毅(大阪大学大学院
生)「英語接頭辞over-の数量的分析」、森下裕三(神戸大学大学院生)「副動詞を
含む移動構文と使役移動構文の類似点と相違点」、島田祥吾(広島大学大学院生)
「コーパスを活用したシノニム研究―英和辞典の記述改善に向けて―」、藤野玄大
(東北学院大学大学院生)他2名「高汎用性コーパスシステムを用いた英語教育およ
び学習支援に関する研究」。
記念大会の特別企画としては、英国リヴァプール大学の碩学Michael Hoey教授が
特別講演の講師として登壇した。Hoey氏はLexical priming理論の唱道者として知ら
れており、氏の一連の著作は特にコロケーション、ディスコース、テクスト分析の
研究者にとっては必読書となっている。今回、Hoey氏は“Lexical priming and the
properties of text”と題した講演の中で、氏の理論の基盤となっている認知心理
学の概念「プライミング効果(priming effect)」を手始めに、言語の習得・習熟、
さらにはテクストの構成や文体的効果とプライミングがいかに密接に関わっている
か、豊富な用例を挙げて分かりやすく刺激に富む講義を行ってくれた。Hoey氏は、
ステージ上にとどまらず、時にはフロアに降りて、講堂の座席間の通路を動き回り
ながら、身振り手振りを加えて極めてエネルギッシュにフロアの聴衆に語りかけた。
20年目を記念するに相応しい、素晴らしい講演であった。
当大会ではもうひとつの企画、シンポジウム「私のコーパス利用」が用意されて
いた。赤野一郎(京都外国語大学)を司会者として、滝沢直宏(名古屋大学)、深
谷輝彦(椙山女学園大学)、岡田毅(東北大学)、家入葉子(京都大学)、野口ジュ
ディー(武庫川女子大学)、投野由紀夫(東京外国語大学)、井上永幸(広島大学)、
田畑智司(大阪大学)、堀正広(熊本学園大学)の各氏が各々の研究テーマに最適
化したコーパス利用の方法論や知見を披瀝する企画であったが、台風の接近のため
に、シンポジウムが予定されていた2日目の午後のプログラムはキャンセルとなって
しまったのは大変残念なことであった。しかし、このシンポジウムは2013年4月に改
めて大阪大学豊中キャンパスにて開催される運びである。
以上、簡単ではあるが、英語コーパス学会第38回大会の報告とさせていただく。
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◇イベントレポート(4)
TEI Members' Meeting 2012参加報告
: http://idhmc.tamu.edu/teiconference/
(永崎研宣:人文情報学研究所)
例年にならい、Text Encoding Initiative(TEI)の年次総会、TEI Members'
Meeting 2012が11月上旬に開催された。2012年はテキサスA&M大学にて、Raura
Mandell教授を中心に実施された。
折しも、米国では大統領選の真っ只中、会期中にオバマ大統領再選が決したとこ
ろであった。
TEIをご存じない方のために簡単に解説しておくと、TEIとは、人文学資料、特に
テキストの本文を中心的な対象としたマークアップのルールを作成する団体、TEIコ
ンソーシアム(*1)の略称であり、同時に、同団体が出しているルールブック、TEI
ガイドライン(*2)の略称でもある。1987年に作成が始まったこのガイドラインは
様々な改良を経て多くの種類の人文学資料、様々な専門分野の要求に対応できるも
のとなり、最新版はTEI P5 ver. 2.2.0となっており、現在も改良が続けられている。
もう少し詳しい紹介については『TEIとoXygenの初歩』(*3)などを参照されたい。
TEI Members' Meetingは、TEI協会が主催してヨーロッパと米国で交互に毎年開催
されるTEIの一大国際イベントである。世界中からTEIを利用した新しい試みが持ち
寄られ発表され議論される場であり、デジタルテキストのあり方やマークアップの
仕方からTEIで作られたデータを活用するためのアプリケーションの開発まで、様々
な発表が持ち寄られる。3日間程度の開催で研究発表会と分科会での技術的な検討が
行われるとともに、直前の数日間は様々なワークショップが開催されるのが通例に
なっている。
筆者は今回、スケジュールの都合上、後半の一部にのみ参加する形となった。前
年はドイツ・ヴルツブルク大学で開催され、ドイツの研究者を中心に160名の参加者
を集めて大盛況だったが、それに比べると本年は参加者50名程度と、やや小規模な
集まりとなった。
研究発表会は、ブラウン大学で展開されているWomen writers projectにおいて
1992年よりテキストのデジタル化に取んでいるJulia Flanders(*4)の基調講演
「TEI and scholarship」で始まり、2トラックでの発表とポスター発表という形式
であった。Julia Flandersの基調講演では、Google等の登場による粗いデジタル化
テキストの流通と人文学の学術研究という文脈の中で、ブラウン大学で最近開始さ
れた、各地で公開されているTEI文書をアーカイブするプロジェクト、TAPAS(*5)
の紹介などが行われた。
個別の発表では、まず、Marjorie Burghurtによる“Getting critical with the
apparatus: how to re-think the TEI encoding of critical editions?”という発
表が筆者の関心領域からみると大変興味深かった。
この発表では、複数の異本を持つテキストの校合をするにあたって必要なマーク
アップの手法(タグの書き方)を採り上げ、、印刷本をベースとしてマークアップ
をする場合の既存の3種類の手法についての問題点をそれぞれ確認した上で、デジタ
ル化されたテキスト同士での校合の場合にはいずれの手法も冗長すぎるかもしれな
いということ等について指摘し、さらに効果的な手法の開発と、ユーザコミュニティ
からのフィードバックの必要性を強調していた。
また、今回は、インディアナ大学のJohn Walshが中心となって開発しているTEI
Boilerplate(*6)が注目を集めていた。これは、従来は、XMLで作成されたTEI文書
をWebで表示する際には一手間必要だった(一度HTMLに変換してから表示するという
プロセスが必要であった)のに対して、この仕組みでは、(Webブラウザに内蔵され
たXSLTプロセッサを用いることで)、非常に簡単に、XML文書をそのまま共有しつつ
Webブラウザ上でうまくタグの性質を反映させた形で表示させることが可能となって
いた。このTEI Boilerplateの意義は、とにもかくにも、XML文書をそのまま公開し
て共有することが簡単にできるということである。筆者もさっそく日本語やアジア
諸言語のTEI文書で試してみたが、基本的にはうまく表示できていた。ただし、まだ
改良の余地は多々あり、タグの多くには対応しておらず、今後に大いに期待といっ
たところであった。
もう一つ、興味深い発表としては、メリーランド大学のTrevor Munoz氏率いるプ
ロジェクトが開発中の、Webブラウザ上でXML文書の作成を行うシステム ANGLES
(*7)の構想と試用版についてのデモ発表があった。
この背景としてはWebブラウザ上で実用レベルで可能なプログラミングの幅が大幅
に広がったことと、このようなツールの開発に全米人文科学基金(NEH)が特に助成
金を提供するようになってきているということがある。また、上記のTEI
Boilerplateも含め、このようなツールのほとんどはオープンソース・フリーソフト
で開発され公開されているという点にも注目しておきたい。カナダの研究プロジェ
クトでも似たようなものが開発されつつあるが、いずれもまだベータ版であり今後
に期待されるところである。
筆者は所用のために最終日に参加することができなかったが、最終日に開催され
たTEIの教育に関するパネルセッションについては、オックスフォード大学のJames
Cummings氏がご自身のブログ記事の翻訳転載の許可をくださったので、これを暫定
的に和訳したものを以下に掲載しておく。なお、この原稿の原文は彼のブログに掲
載されているので原文で読まれたい方はそちらをご参照いただきたい。
(http://blogs.oucs.ox.ac.uk/jamesc/2012/11/22/teaching-the-tei-panel/)
(*1) http://www.tei-c.org/
(*2) http://www.tei-c.org/release/doc/tei-p5-doc/en/html/index-toc.html
(*3) http://www.dhii.jp/nagasaki/blog/node/12
(*4) http://www.stg.brown.edu/staff/julia.html
(*5) http://www.tapasproject.org
(*6) http://dcl.slis.indiana.edu/teibp/
(*7) http://mith.umd.edu/research/project/angles/
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◇イベントレポート(5)
TEI Members' Meeting 2012
: http://idhmc.tamu.edu/teiconference/
(James Cummings:オックスフォード大学)
(日本語訳:永崎研宣・人文情報学研究所)
筆者は、Text Encoding Initiative(TEI)協会の年次大会においてElena
Pierazzoが企画したパネル「TEIの教育:訓練からアカデミックなカリキュラムへ」
に参加した。アブストラクトは
http://idhmc.tamu.edu/teiconference/program/papers/#teach にて参照されたい。
Florence ClavaudとSusan Schreibmanが参加できなかったが、直前になって、[会
場に来ていた]ブラウン大学のJulia Flandersがパネルへの参加を快諾してくれた。
そこで、パネルの登壇者はElena Pierazzo、 Marjorie Burghart、James Cummings
とJulia Flandersということになった。
Elena Pierazzoは、パネルの議論が何を対象としようとしているかを導入として
このパネルを開始した。このパネルは、ある一定の文脈のなかで、TEIの授業におけ
る相違点や類似点を考察の対象としていた。すなわち、専門家を対象としたひたす
らに熱心なワークショップから、関連するアカデミックなコースの一部としてのTE
Iの授業まで、である。これらは目的や方法論、そして対象範囲が異なっており、こ
れらの授業のシラバスはそれぞれにTEIガイドラインの異なる章を対象としているよ
うだった。
このパネルでは、どのアプローチがもっとも成功したと考えられるか、そして、
TEIの授業に際して成功とは何を意味するのかが議論された。研究者が現在直面して
いる問題(たとえば、写本のデジタル版、辞書、コーパス等)を解決するためのツ
ールなのか、あるいは、概念をモデル化するためのツールや分析のための手法とし
てよりよく機能しているのか?パネル全体を通してこれらの二種類のTEIの教育が対
比されていたのは、互いの教育のやり方に役立つどのような方法が習得され得るか
を確認するためであった。
Marjorie Burghartは、Elena[が対比したのとは]異なる仕方で、リヨンで提供
されている学部レベルと修士レベルのトレーニングのレベルの類似と差異を対比し
てみせた。彼女は、古文書学や文献学の歴史的展開からそれらのデジタル化までの
全体としての学術的編集の技術を教える授業の一つを例に挙げて、他の分野におい
てTEIの教育を取り入れることの重要性を主張した。その提言は主に、いつも「TEI
コース」やデジタル技術に特化されたもののなかでTEIの教育が行われるのではなく、
ある部分はTEIに関する内容を含んだアカデミックな関連分野のコースにおいても行
われるということを語っていた。
James Cummingsは、長年にわたるTEIサマースクールから発展し、現在では1週間
にわたるTEIワークショップを取り入れているDigital.Humanities@Oxford Summer
School( http://digital.humanities.ox.ac.uk/dhoxss/ )をとりあげつつ、オッ
クスフォード大学でのTEI教育を概観してみせた。そういった文脈での入門的なTEI
ワークショップはTEIガイドラインの多くに対応しようとする傾向があり、広いが浅
く、ひたすら概説的である。一方で彼らは、個々のプロジェクトにあわせたトレー
ニングをも準備していた。そこでは、TEIの全体が扱われるのではなく、プロジェク
トが利用しようとする側面に特化されたトレーニングと簡潔な概要が扱われていた。
Julia Flandersはブラウン大学で開催しているワークショップとDHSIで提供され
ているワークショップについて説明した。そして、これらをオックスフォードのも
のと対比し、より大きなアカデミックなコースの一部を形成するものとどのように
異なるかを示した。彼女が議論したのは、基本的な概念を教えるための様々なアプ
ローチと、Roma等の既存のツールがこれらを容易にするのにどう改良されるべきか
ということであった。そして、「意味論のフィンガーペインティング」を可能にす
る入門的なツールが、ユーザに使いやすい方法でデータのモデル化の概念を扱える
ような形で作られるべきであると提言した。
参加者との間で多くの興味深い指摘がなされ、質問が投げかけられ、幅広い議論
が行われた。数人の参加者は、テキストエンコーディングを広く扱い、特にTEIを異
なる事柄を教えるのに用いていると語っていた。つまり、TEIを学ぶプロセスは、他
のトピック、たとえばテキストの性質をよりよく理解するのに役立つというのであ
る。Michael GavinはTEIのコースと高等教育においてTEIを含むコースの両方を調査
しておくのがよいだろうとコメントした。Marjorieは、Florence Clavaudがフラン
スとヨーロッパに関してそのような調査を始めており、彼女に連絡をするのがよい
だろうと指摘した。
TEIは多種多様な方法で教えられており、多くを教えるにこしたことはないのだが、
提供者がきちんと検証すべきことは、ある特定のコースが用意されている理由であ
る。多くの人々にTEIガイドラインの対象とする範囲と狙いについての基本的な理解
を受け入れてもらうためなのか?あるいは、TEIが一つの実践的で具体的な例となる
ような、よりすばらしい他のいくつかの概念を教えるためなのか?このパネルに参
加した講師たちは皆、このような様々な文脈において、そして、異なるアプローチ
と範囲において教育を行ってきており興味深い対比をなしていた。TEIが成長し、デ
ジタルテキストのエンコーディングの標準規格(特にアカデミックな文脈で)とし
てより普及していくのにともなって、このコミュニティは、その教育と教育組織の
改良を続けていく必要があるだろう。一つの前途有望なしるしは、Digital
Humanitiesのトレーニング組織のネットワークである(これについては
http://digital.humanities.ox.ac.uk/dhoxss/ を参照されたい)。そこでは、それ
ぞれの固有の性質や経験を保ちつつ、ゆっくりと着実な教育の基礎を生み出すこと
が共同で進められているのである。
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◇イベントレポート(6)
じんもんこん2012参加報告
: http://jinmoncom.jp/sympo2012/
(永崎研宣:人文情報学研究所)
11月の17~18日、北海道大学文学部において、人文科学とコンピュータシンポジ
ウム・じんもんこん2012が開催された。
このシンポジウムは、情報処理学会・人文科学とコンピュータ研究会が毎年開催
しているもので、発表申し込みに査読を行うことでより質の高い研究発表を募集す
ることを目指したものである。昨年度の模様については、 http://t.co/RpXkJnc
に掲載されているタイムラインにて、2011年12月のところで参照されたい。
今回のシンポジウムでは、北海道では初めての開催となり、また、同日程で九州
大学にて開催されていた日本図書館情報学会と相互に中継を行うという新しい試み
があった。
発表は30数件、参加者は90数名と、例年よりは数をかなり減らしたが、議論その
ものは活発に行われたと言ってよいだろう。ツィッターのまとめ頁でその一端を垣
間見ていただきたい。( http://togetter.com/li/408605 )
今回は特にポスター・デモ発表数の割合が大きく、かつ、比較的質の高い発表が
多く、ポスター・デモ発表専用に設けられた時間帯には、14件の発表それぞれで大
変活発な議論が展開されていた。
ポスター賞も設定され、言語情報までも含めた古代エジプト文字の文字データベ
ースに関する発表とWeb上の集合知を効果的に視覚化することを目指す発表の2件が
受賞した。
人文学における資料のあり方を深く掘り下げたものと、様々な既存技術をうまく
マッシュアップした視覚化を通じて情報把握性を高めるという、人文学におけるデ
ジタル技術の応用の2つの方向性を象徴するような発表が表彰されたことはこの研
究領域にとって意義の深いことであると言えるだろう。
これらに限らず、全般的に質が高く多様な発表が見られたことはプログラム委員
長をつとめた筆者としても大変喜ばしいことであった。
なお、発表論文に関しては、情報処理学会の電子図書館( https://t.co/iOhi8Dti )
にて1本ずつ個別に購入することができるようになっており(ただし、情報処理学会
CH研究会会員は無料。)特に関心がある方にはぜひご覧いただきたい。
例年通りであれば来年は関西地域での開催となる。人文学にデジタル技術を応用
する研究には様々な切り口があり、年々、発表内容が多様化してきている。
このようなテーマに取り組んでおられる研究者の方々は、ぜひこの場での議論に
ご参加いただき、さらにはご発表されることをご検討いただきたい。
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◇イベントレポート(7)
「第2回歴史コミュニケーション研究会」における報告
「デジタル時代における歴史学の発信を考える―国立国会図書館『カレントアウェ
アネス・ポータル』の業務経験を出発点に―」
:http://historycommunication.blogspot.jp/2012/10/blog-post_13.html
(菊池信彦:国立国会図書館関西館)
国立国会図書館が提供している様々なウェブサイトの一つに、「カレントアウェ
アネス・ポータル」( http://current.ndl.go.jp/ )がある。これは、図書館員や
研究者、および一般の方に対して、国内外の図書館界および図書館情報学の最新情
報を提供することを目的としたものである。西洋近代史を専門とする筆者が図らず
もこのような図書館界の情報サイトを担当するようになってすでに2年が経過したが、
その当初から、このウェブサイトでの取組みは歴史学界にとっても参考になるべき
点が多いと感じていた。
そんな中、幸運にも東海大学文学部特任講師の柳原伸洋氏が主催する第2回歴史コ
ミュニケーション研究会(2012年11月22日、於東海大学高輪キャンパス)において、
前段の問題意識に沿った報告をさせていただく機会に恵まれた。歴史コミュニケー
ション研究会は、広く歴史の伝え方や伝わり方等について、多様な参加者による議
論を目指した研究会である( http://historycommunication.blogspot.jp/ )。本
稿では、この報告と質疑応答の内容を紹介する( http://togetter.com/li/411649 )。
報告では、まず、文部科学省や日本学術会議の各種文書、研究者の論文を基に、
学問の発信が研究者に広く求められていることと、研究者自身も発信したいと考え
ている現状があることを指摘した。しかし、やや乱暴なまとめ方をすれば、ここで
の「発信」とは、論文等の成果をデジタル化し機関リポジトリで公開するという意
味である。これに対しカレントアウェアネス・ポータルは、論文や専門書の刊行と
は異なる形での情報発信を行っており、だからこそ、その取組みは歴史学界にとっ
て学ぶ価値があるのだと指摘した。
次に、カレントアウェアネス・ポータルの取組みについて、特に情報の発信と収
集に焦点を合わせて紹介を行った。
カレントアウェアネス・ポータルでの発信は、大きく3つのカテゴリ――ブログ記
事「カレントアウェアネス-R」、隔週刊行メールマガジン「カレントアウェアネス
-E」、そして季刊誌『カレントアウェアネス』――からなる。これらのコンテンツ
を、冊子やメールマガジン、ブログといった複数の媒体で発信しつつ、すべてをポ
ータルサイトに掲載し一元的に提供している。そしてさらにTwitterを活用すること
で、さらなる情報の拡散を図っている。
もちろん発信にはその前段階として情報収集が必須である。カレントアウェアネ
ス・ポータルの担当者は、図書館関係サイトのチェックを日常的に行っており、そ
の数は1,000件にも登る。そのため、RSSリーダーのほか、TwitterやFacebookなどの
ソーシャルメディアを活用することで、情報収集の効率化を図っている。また、担
当者3名がそれぞれ「最近のもの、面白いと感じたもの、役立ちそうなもの」という
基準で情報の選択を行っており、そのために記事に多様性が生まれているのである。
カレントアウェアネス・ポータルの特徴としては、読者を限定せず多様な読み手
を想定していること、論文未満であっても価値があるものと判断すれば積極的に発
信していること、複数人で運営することで記事に広がりを与えていること、複数の
媒体で発信していること等を指摘できる。そして、これらの特徴は、デジタル形式
で歴史学の成果を発信する際に参考にしうるものであろう。
次に、カレントアウェアネス・ポータルでの情報収集のノウハウを活用して集め
た、主に英語圏における歴史学の発信事例についてレビューを行った。
レビューにあたっては、Daniel J. CohenとRoy Rosenzweigによる共著“Digital
History”を参考にし、彼らが同著の中で指摘した歴史学関係ウェブサイトの5つの
類型――“Archives”、“Exhibits, Films, Scholarship, and Essays”、
“Teaching”、“Discussion”、“Organizational”――に準じて、13件の事例を
取り上げた。紙幅の都合上、ここでそのすべてに言及することはできないが、例え
ば、第二次世界大戦の出来事を「過去のその日」にツイートする“WW2 Tweets
from 1940”や、ヨーロッパの歴史教育者団体が作成した歴史教材ポータルサイト
“Historiana”、デジタルヒストリーに関する情報提供サイト“Global
Perspectives on Digital History”等である。
これらの事例が示すのは、論文や専門書の刊行だけではなくデジタル媒体を活用
することで、歴史を身近に感じてもらう、歴史教育のための教材を提供する、歴史
学の最新情報の提供を行うといった様々な目的で歴史学の発信を行うことは可能な
のだということである。当たり前のことと思われるかもしれない。しかしながらそ
の当たり前が、日本の、とりわけ西洋史研究者にとって今なお遠いのである。
報告最後では、デジタル媒体での歴史学の発信を進めるうえで検討すべき課題に
ついて以下4点を指摘した。1つ目は、「発信」の定義を、論文や専門書だけに限定
せずに、より多様な活動にまで拡げて考えるべきであるということ。2つ目は、デジ
タル媒体での発信を行うために、学生や研究者向けにそれを学ぶ機会を設定する必
要性があること。3つ目は、歴史学の発信を行うインセンティブを高めるために、デ
ジタル媒体での発信を研究業績に含める必要があること。4つ目が発信活動のための
財政基盤を確保する必要があることである。以上を述べて、報告を終えた。
報告後の質疑応答では、前段最後に挙げた財政基盤に関する質問が相次いだ。特
に、デジタル媒体での発信をテーマとして科研費補助金を申請できるのかどうか、
講演で紹介した事例はどのような助成を得ているのか等である。そのほか、日本に
おける発信事例の有無を尋ねるものもあった。筆者からは、全米人文科学基金(NE
H)において、報告で紹介した事例等への研究助成が盛んに行われていること、日本
の事例の有無については管見の限り決して多くはないということを回答した。
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配信の解除・送信先の変更は、
http://www.mag2.com/m/0001316391.html
からどうぞ。
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◆編集後記(編集室:ふじたまさえ)
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人文情報学月報第16号も充実の内容となりました。ご執筆いただいたのはどなた
もデジタル・ヒューマニティーズの最前線で活躍されている方々ばかりです。お忙
しいところ、ご寄稿大変ありがとうございました。重ねて感謝をお伝えして今号の
結びとします。
人文情報学月報では今後も、さまざまな立場からのご寄稿を掲載していきたいと
思います。
◆人文情報学月報編集室では、国内外を問わず各分野からの情報提供をお待ちして
います。
情報提供は人文情報学編集グループまで...
DigitalHumanitiesMonthly[&]googlegroups.com
[&]を@に置き換えてください。
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人文情報学月報 [DHM016] 2012年11月28日(月刊)
【発行者】"人文情報学月報"編集室
【編集者】人文情報学研究所&ACADEMIC RESOURCE GUIDE(ARG)
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