ISSN 2189-1621

 

現在地

DHM 019 【後編】

[DHM019]人文情報学月報【後編】

2011-08-27創刊

人文情報学月報
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄Digital Humanities Monthly

             2013-02-27発行 No.019 第19号【後編】 328部発行

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 ◇ 目次 ◇
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
【前編】
◇《巻頭言》「視覚文化研究へのデジタル・ヒューマニティーズ的アプローチ」
 (鈴木桂子:立命館大学衣笠総合研究機構)

◇《連載》「Digital Humanities/Digital Historyの動向
      ~2013年1月下旬から2013年2月中旬まで~」
 (菊池信彦:国立国会図書館関西館)

【後編】
◇人文情報学イベントカレンダー

◇イベントレポート(1)
「TEIの現在・未来 JADH2012:TEIワークショップを振り返って」
 (永崎研宣:人文情報学研究所)

◇イベントレポート(2)
「第97回人文科学とコンピュータ研究会発表会」
 (山田太造:人間文化研究機構本部)

◇イベントレポート(3)
日本文化デジタル・ヒューマニティーズ拠点 DHワークショップ
「凸版印刷×ARC」
 (金子貴昭:立命館大学衣笠総合研究機構)

◇イベントレポート(4)
「第2回 知識・芸術・文化情報学研究会」
 (永崎研宣:人文情報学研究所)

◇編集後記

◇奥付

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
【人文情報学/Digital Humanitiesに関する様々な話題をお届けします。】
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◇人文情報学イベントカレンダー(■:新規イベント)

【2013年2月】
■2013-02-28(Thu)~2013-03-01(Fri):
DSR国際シンポジウム2013「データが語るシルクロード史」
(於・東京都/東洋文庫 ほか)
http://dsr.nii.ac.jp/event/2013/

【2013年3月】
■2013-03-15(Fri):
立命館大学 日本文化デジタル・ヒューマニティーズ拠点
DHワークショップ「デジタル風俗画研究の可能性」
(於・京都府/京都府京都文化博物館 別館)
http://www.arc.ritsumei.ac.jp/lib/GCOE/info/2013/03/dh-3.html

□2013-03-15(Fri):
東洋学へのコンピュータ利用 第24回 研究セミナー
(於・京都府/京都大学人文科学研究所本館 新館)
http://www.kanji.zinbun.kyoto-u.ac.jp/seminars/oricom/

■2013-03-15(Fri)~2013-03-16(Sat):
DH:The Next Generation
(於・米国/Simmons College GSLIS)
http://web.simmons.edu/~fairb/dhsymposium/program.html

□2013-03-29(Fri)~2013-03-30(Sat):
日本地理学会 2013年度春季学術大会
(於・埼玉県/立正大学熊谷キャンパス)
http://www.ajg.or.jp/meetiing/2013spring.html

【2013年5月】
□2013-05-22(Wed)~2013-05-24(Fri):
The Music Encoding Conference 2013
(於・ドイツ/Mainz Academy for Literature and Sciences)
http://music-encoding.org/conference

□2013-05-24(Fri)~2012-05-26(Sun):
International Conference on Japan Game Studies 2013
(於・京都府/立命館大学衣笠キャンパス)
http://www.ptjc.ualberta.ca/en/Conferences/Japan%20Game%20Studies.aspx

□2013-05-25(Sat)~2012-05-26(Sun):
情報知識学会 第21回 2013年度 年次大会
(於・東京都/お茶の水女子大学)
http://www.jsik.jp/?2013cfp

【2013年6月】
■2013-06-03(Mon)~2012-06-05(Wed):
2013 Annual Meeting of the Canadian Society For Digital Humanities
(於・カナダ/University of Victoria)
http://csdh-schn.org/2012/11/16/cfp2013/

□2013-06-04(Tue)~2012-06-07(Fri):
5th International Conference on Qualitative and Quantitative Methods in
Libraries
(於・イタリア/"La Sapienza" University)
http://www.isast.org/qqml2013.html

□2013-06-06(Thu)~2012-06-10(Mon):
Digital Humanities Summer Institute 2013
(於・カナダ/University of Victoria)
http://dhsi.org/

□2013-06-13(Thu)~2012-06-14(Fri):
17th International Conference on Electronic Publishing
(於・スウェーデン/Blekinge Institute of Technology)
http://www.bth.se/elpub2013

■2013-06-26(Wed)~2012-06-29(Sat):
Digital Humanities Summer School Switzerland 2013
(於・スイス/University of Bern)
http://www.dhsummerschool.ch/

【2013年7月】
□2013-07-08(Mon)~2012-07-12(Fri):
Digital.Humanities@Oxford Summer School
(於・英国/Oxford University)
http://digital.humanities.ox.ac.uk/dhoxss/

□2013-07-08(Mon)~2012-07-12(Fri):
The 5th International Conference on Asia-Pacific Library and Information
Education and Practice
(於・タイ/Khon Kaen University)
http://www.aliep2013.com/

□2013-07-16(Tue)~2012-07-19(Fri):
Digital Humanities 2013
(於・米国/University of Nebraska)
http://dh2013.unl.edu/

Digital Humanities Events カレンダー共同編集人
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小林雄一郎(大阪大学大学院言語文化研究科/日本学術振興会特別研究員)
瀬戸寿一(立命館大学衣笠総合研究機構PD)
佐藤 翔(筑波大学図書館情報メディア研究科)
永崎研宣(一般財団法人人文情報学研究所)

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◇イベントレポート(1)
「TEIの現在・未来 JADH2012:TEIワークショップを振り返って」
http://www.jadh.org/jadh2012
 (永崎研宣:人文情報学研究所)

 やや旧聞に属する話で恐縮だが、デジタル・ヒューマニティーズと人文学の将来
を考える上で重要なワークショップが開催されたにも関わらず十分な報告をする場
がなかったため、この場を借りてご報告させていただきたい。

 Japanese Association for Digital Humanities(日本デジタル・ヒューマニテー
ズ学会)による年次学術大会「JADH2012」が東京大学工学部2号館にて開催されたの
は2012年9月半ばのことであった。世界各地で開催されるデジタル・ヒューマニティ
ーズ関連学会の例にならい、「JADH2012」においても、シンポジウムに先立ってワ
ークショップが開催された。例年はテキスト解析とテキストアーカイビングの二つ
のワークショップが開催されてきていたが、「JADH2012」では、テキストアーカイ
ビングのみのハンズオン・ワークショップが開催された。

 折しも、Text Encoding Initiative(以下、TEI)協会(*1)では、文学・言語学
研究者を中心としつつデジタル化に取り組む様々な人文学研究者を巻き込みながら
1987年より作成・改良を続けてきた人文学資料の符号化(マークアップ)手法、TEI
ガイドラインの最新版、P5 ver.2.0を前年末にリリースしたところであった。この
版での改訂とは、それまでのTEIガイドラインの前提であった「テキストは媒体に左
右されない論理的な構造を持っておりそれをマークアップして共有することを基本
とする」という考え方に加え、「媒体上に見られる物理的な構造をもマークアップ
して共有する」という考え方を導入した、画期的なものであった。

 TEI協会の手稿分科会(Manuscript SIG)の長年に渡る成果であり、「JADH2012」
では、この手稿分科会を議長として率いつつキングズカレッジ・ロンドンでデジタ
ル・ヒューマニティーズ学科の講師を務めるElena Pierazzo博士が招聘され、この
新しいTEIガイドラインに関するハンズオン・ワークショップが開催されたのであっ
た。

 とは言え、このTEIガイドラインの最新版の意義を把握し、ハンズオン・ワークシ
ョップで例示される操作を理解しながら講義に追随していくためには、その前提と
なるTEIの基本的な知識と、XMLエディタを用いた基本的な操作方法の習得が必須で
あった。もちろん、TEIを実際に利用する際には、たとえば、MediaWikiのボタンを
押すと裏では必要なタグをつけた上に表ではスタイルシートで対応する見た目を表
示してくれる、というような形で、特にXMLを意識することなく利用できるような仕
組みを用意しておくのが最近は一般的になりつつある。しかしながら、TEIガイドラ
インにおいて提示されているXMLの構造とは、欧米の人文学研究者達が中心になって
人文学に関わるテキスト資料の構造について長年の議論を重ねてきた結果としての
一つの見解であり、それを直接に知ることには様々な面で大きな意義がある。

 すでに、TEIガイドラインのワークショップとしては、前年のJADH2011ではトリニ
ティカレッジ・ダブリンの英文学科にてデジタル・ヒューマニティーズ・コースの
教鞭をとるSusan Schreibman博士を招聘してのVersioning Machineに対応した複数
写本のパラレル・コーパスの作成を取り扱っており、そのコースを習得した人に関
しては特に問題なく「JADH2012」のワークショップにも対応できる見込みであった。
そこで、「JADH2011」のワークショップに参加せず「JADH2012」に参加希望をした
人々に対しては、準備のためのプレワークショップが開催されることとなった。

 結果として、東京大学及び近辺にて3回、大阪大学にて2回にわたり、無料参加の
プレワークショップが開催され、TEIの基本的な知識とXMLエディタoXygenを用いた
具体的な操作方法についてのレクチャーが行われた。oXygenはJAVAで書かれた有償
のXMLエディタソフトであり、TEI協会等のアカデミックなコミュニティと関係を築
きながら開発が続けられてきたものである。XMLタグを直接記述したいという人にと
ってはかゆいところに手が届くたくさんの機能が用意されており、一度XMLに馴染む
ことができれば大変使いやすいものである。

 そして、アカデミック価格が用意されているため、研究者や学生は比較的安価に
利用でき、また、このようなワークショップなどの際には期間限定の無償ライセン
スキーが配布されるというサービスもある。当然、この一連のプレワークショップ
及びワークショップでもこの無償ライセンスキーの恩恵にあずかったのは言うまで
もない。このワークショップでもoXygenの基本的な使い方にある程度の時間をかけ
ることとなったが、参加者のほとんどはすぐに習熟していた。なお、本ワークショ
ップには参加できないもののプレワークショップのみ参加してTEIに関する知識を得
ようという人も少なからずおり、近年のTEIへの関心の高まりを感じさせた。

 そのような準備期間を経た後、2012年9月15日に開催されたElena Peirazzo博士に
よるワークショップでは、TEIについての一通りの説明が行われた後、最新版のTEI
ガイドラインに従い、手稿に書かれた様々な情報をXMLマークアップによって構造的
に記述するということで、ダーウィンの手稿(*2)をはじめ、いくつかの手稿のデ
ジタル画像と翻刻テキスト等が用意された。英文学やエジプト学から日本史に至る
まで様々な分野の研究者が集い、それぞれにTEIの新しい考え方に基づくマークアッ
プの手法に取り組んでいた。

 ここまで触れてきたように、TEIの新しい考え方というのは、たとえば、縦横無尽
に書かれた手稿の縦横無尽さを、デジタル画像上の座標情報を用いてきちんとすべ
て記述していこうというものである。その考え方自体は以前から存在しており、た
とえば、画像上のある箇所を切り出してその座標情報を取得するWebアプリケーショ
ンといったものもすでにデジタル・ヒューマニティーズの分野では開発済みである。
http://mith.umd.edu/tile/ 等)。ここで言う新しさというのは、こうした流れ
を受けて、それ自体を「論理構造を持つテキスト」と同格に扱おうとするという点
である。TEIの歴史のなかでは大きな転換であり、今後、何らかの形でこれに関わら
ざるを得なくなる研究者がますます増えていくことだろうことが予想される。

 しかし一方で、このワークショップの参加者から聞かれ、筆者も感じた課題とし
て、記述するための操作がきわめて煩雑になってしまっているという点があった。
このワークショップでは画像上の座標情報を取得するためにInkscapeというフリー
ソフトウェアのXMLエディタ機能を用い、そこで得た情報をoXygenに貼り付けるとい
う仕方をとっていた。ほんの少しのデータであればそれでもなんとかなるかもしれ
ないが、研究者が日常的に取り組む場合、あるいはプロジェクトとして大規模にデ
ータ構築しようという場合には、このようなやり方ではとても十分とは言えない。
もちろん、このワークショップはTEIそのものについての理解を深めるためのワーク
ショップであったため、敢えてやや複雑な、しかし、裏側がどうなっているかよく
わかるような手法をとったのであり、たとえば上述のWebアプリケーションなどをう
まく組み合わせることで、大規模なWebコラボレーションを効率的に遂行することは
それほど難しくはないだろう。

 ただ、現状では、個人が容易に扱えるクライアントアプリケーションという観点
からすると、この新しい考え方に基づくマークアップはまだかなり敷居が高い状態
にある。さらにまた、座標情報に基づいてデジタル画像上に散在することになるテ
キストをいかにして利用者にとって利便性の高い形で提示するか、ということに関
してもまだ大いに改良の余地がある。これは、「論理構造を持ったテキスト」を前
提としたこれまでのTEI符号化テキストにおける多様なアプリケーション群と比べる
と、なお明らかである。現状では、まだ、ほんのいくつかの表示するためのアプリ
ケーションが試作段階であるに過ぎない。すなわち、この手法はまだ始まったばか
りであり、特に良質なアプリケーションが様々に開発されることが国際的にも急務
となっていると言える。すでにさらなる開発への取り組みは欧米各所で始まってい
るものの、日本の研究者・開発者がTEIの将来に貢献し得るところはこういったアプ
リケーションの面でさえもまだ十分に残っている。

 さらに言うなら、ここでは、単に技術的な事柄だけが必要なのではなく、むしろ、
人文学研究者が研究者として情報をどう扱おうとしているのかという見識をいかに
適切に技術に反映し、いかにして有益な情報交換や知識の蓄積をおこなえるように
するか、という点が重要なのであり、人文学研究者が貢献し得る領域はきわめて大
きい。そのような試みを通じてデジタル媒体上で人文学が一定の確かさをもって展
開していくことができたなら、人文学の将来にもまた違った角度からの光が射して
くることだろう。20年を過ぎてなお発展を続けるTEIはそのようなところにもつなが
り得る拠り所の一つであると感じた次第である。

(*1) http://www.tei-c.org/
(*2) http://darwin-online.org.uk/manuscripts.html

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◇イベントレポート(2)
「第97回人文科学とコンピュータ研究会発表会」
http://www.jinmoncom.jp/
 (山田太造:人間文化研究機構本部)

 2013年1月25日、東京大学史料編纂所(以下、史料編纂所)において、史料編纂所
画像史料解析センター(以下、画像センター)および文部科学省科研費基盤研究(A)
「ボーンデジタル画像管理システムの確立に基づく歴史史料情報の高度化と構造転
換の研究」(研究代表者:山家浩樹(以下、山家科研))との共催による第97回人
文科学とコンピュータ研究会発表会(CH97)が開催された。

 まずCH97における企画セッション「文字情報のデータベース化と連携の可能性」
の開催経緯について述べる。2011年度のことである。漢字字体規範データベース編
纂委員会(Hanzi Normative Glyphs(以下、HNG)グループ)が主催する漢字字体史
研究国際シンポジウム「字体規範と異体の歴史」(2011年12月16日から18日、於:
東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所)(注1)が開催された。また、人
文科学とコンピュータシンポジウム「じんもんこん2011」(2011年12月10日から11
日、於:龍谷大学)(注2)では文字情報について2つのセッションが設けられた。

 当時、これら以外にも文字情報を主題とした多くの会議・研究会が催されていた。
一方、2011年10月26日に史料編纂所において山家科研の会議を行った。すでに史料
編纂所『電子くずし字字典データベース』と奈良文化財研究所(以下、奈文研)『
木簡画像データベース・木簡字典』データベースは連携検索を開始しており(注3)、
それを踏まえ、今後の文字情報、特に文字画像に関するさまざまな情報の利用・連
携、将来の方向性について、井上聡氏(史料編纂所)、馬場基氏(奈文研)、安岡
孝一氏(京都大学人文科学研究所(以下、人文研))、高田智和氏(国立国語研究
所)を中心に議論を進めた。

 文字画像情報に関するデータベースの運用を行う関係者がこれほど揃って議論す
ることは稀である。ここでの議論は、科研会議だけでなく、関心のある方々に広く
議論してもらえるような企画を立てるべきだ、という話があがった。さきにあげた
「じんもんこん2011」が終了した後にCH研究会主査・幹事で2012年のCH研究会スケ
ジュールを相談した際に、この企画について高田氏より提案がなされ、主査・幹事
間で合意された。2012年夏にCH研運営委員会で合意され、また、画像センターおよ
び山家科研からも合意され、ようやく1年後に開催するに至り、CH97では、先の会議
に参加した4名の方々がそろって報告することになり、当初の目的を果たすことができた。

 4名の方々、ならびに画像センターおよび山家科研各関係者の方々には多大なご協
力をいただき、この場を借りて御礼申し上げる。また、57名もの方々にご参加いた
だくことができた。これはこの2年間のCH研究会において最大規模となった。ご参加
頂いた方々にも御礼申し上げる。

 CH97は12件(キャンセル1件)の発表があり、プログラムは次のとおりであった。

○一般セッション
(1)リソース連携を通じたテキスト・データベースの新たな可能性に向けて
  -SAT2012を事例として-
 永崎研宣(人文情報学研究所)、苫米地等流(人文情報学研究所)、
 下田正弘(東京大学)
(2)FRBRモデルのWork/Expression関係に基づく関連管理システムの構築
  :国語教科書を例として
 田辺浩介(物質・材料研究機構)、高久雅生(物質・材料研究機構)、
 江草由佳(国立教育政策研究所)
(3)CHISEの階層的素性名のRDF化の試みについて
 守岡知彦(京都大学)

○ポスターセッション
(4)UCS符号化提案におけるデジタルツールの活用-大正新脩大藏經外字の符号化
提案にあたって
 永崎研宣(人文情報学研究所)、清水元広(東京大学)、下田正弘(東京大学)
(5)博物館資料情報のLinkedOpenData化へ向けたモデル試作-花園大学歴史博物館
資料を題材に
 後藤真(花園大学)
(6)関連史料収集のための手法に関する考察-日本の南北朝期における史料を対象

 山田太造(人間文化研究機構)
(7)古文書字形検索のための画像処理
 白井啓一郎(信州大学)、耒代誠仁(桜美林大学)、井上聡(東京大学)、
 久留島典子(東京大学)、馬場基(奈良文化財研究所)、
 渡辺晃宏(奈良文化財研究所)、中川正樹(東京農工大学)
(8)発表キャンセル
(9)「人文科学とコンピュータ」をとりまく状況と将来展望
 関野樹(総合地球環境学研究所)

○企画セッション
(10)『電子くずし字字典データベース』の課題と将来構想
 井上聡(東京大学)
(11)個別DBの深化と連携の確保をめぐって
 馬場基(奈良文化財研究所)
(12)拓本文字データベースの現状と課題
 安岡孝一(京都大学)
(13)漢字字体と典籍の性格との関係-「漢字字体規範データベース」が主張する
もの
 高田智和(国立国語研究所)

 CH97では、通常の一般セッション、先に挙げた企画セッションだけでなく、ポス
ターセッションを設けた。企画セッションだけでなく、一般セッション・ポスター
セッションにおいても文字情報に関する報告が多々なされた。

 一般セッションでは3件の報告があり、それぞれ、大蔵経テキストデータベースの
構築とその構築での問題・解決および新たな可能性、国語教科書を題材としたFRBR
モデルに基づく書誌管理システムの試作、文字情報のRDF/XML化とその出力について
であった。いずれも対象としているシステムのモデルから多々の関連事項への言及
が素晴らしく、報告内容は多岐に渡っていた。次なる研究報告が大変楽しみである。
また、CH研究会ではひさしぶりに図書館情報に関する報告があった。人文情報学に
おいてもFRBRモデルに関心のある方は少なからず存在しており(実は私も関心事項
である)、活発な議論が午前中よりなされていた。

 ポスターセッションでは5件の報告があった。CH研究会ではこれまでポスターセッ
ションを設けることはあまりなかった。2012年11月17日から18日に北海道大学で開
催された「じんもんこん2012」(注4)においてポスターセッションの盛り上がりが
素晴らしく、それを受け、CH研究会でも設けることにした。それぞれの研究につい
てポスターをもとに説明し、興味のある事柄について深く議論することができるの
はポスターならではであろう。

 企画セッションでは上述のとおり4件の報告がなされた。また、企画セッションに
先立ち、画像センター長であり、2013年度より史料編纂所長となる久留島典子氏よ
り開催趣旨の説明があった。

 井上氏の発表では、『電子くずし字事典データベース』の開発経緯、対象となる
資料・情報、システム概要、システム課題、課題への取り組み、および今後の方向
性が報告された。また、奈文研『木簡画像データベース・木簡字典』とのシステム
連携、さらには史料編纂所における日本史に関わる史料集編纂との関係も含んでい
た。

 馬場氏の発表では、『木簡画像データベース・木簡字典』だけでなく、奈文研に
おける事業、木簡概要とデータベースの必要性、史料編纂所とのシステム連携から
見えたシステム的課題・連携拡大に向けた課題などが報告された。普段木簡という
ものに関わりの無い方々にも木簡の位置づけを丁寧に説明され、非常にわかりやす
い報告であった。

 安岡氏の発表では、人文研における拓本の管理、『拓本文字データベース』の開
発経緯、システム概要、運用における現状・課題、今後の方向性について報告され
た。運用上の課題は多くのシステム運用者に共通するところもあるだろうと思う。
また、人文系データベースならではの話もあがっていた。その一例が“偽拓”であ
ろう。提供しているデータの真偽に応じて、どのような扱いとしていくかには、こ
の企画に収まる話ではないが、今後重要な課題となると考えている。

 高田氏の発表では、HNGグループの活動概要、『漢字字体規範データベース』が扱
う対象、文字情報のデジタル化、管理手法、現状と課題について報告された。この
データベースは漢字字体史研究のために構築されてきた。この観点から漢字字体を
どのように定量化していくか、それをいかにモデル化し、システムでどのように表
現していくか、などを含んでいた。

 4件の報告の後、企画セッション全体の討論を行った。耒代誠仁(桜美林大学)お
よび小野芳彦氏(北海道大学)よりコメントをいただき、参加者を含め討論を行っ
た。最後に山家浩樹(史料編纂所)より企画セッション全体のコメントをいただき
閉会した。

 4件の報告いずれについても、各々の研究とその推進のために必要なデータベース
についての報告であった。作成するだけでなく、ほかならぬ作成者が利用者であり、
また他者が利用するときにもあまり戸惑うことが少ない、そのようなデータベース
であったと感じている。そのため、長きに渡って提供し続けられたと考えている。
文字情報は文献を用いる研究において共通基盤であり、そのデジタル化と共有手法
はDH(Digital Humanities)における一分野として考えるべきであろう。また、対
象が日本、もしくは東アジアに共通するため、日本・東アジアにおけるDHの課題と
して今後も深化・発展を成していくものと考えている。

 以上がCH97の報告である。このCH97をもって現在のCH研究会主査・幹事はその任
期を終えることになる。CH研究会とってはさまざまな変化があり、さまざまなこと
にチャレンジしてきた2年間であった。ここにて主査を担当された関野樹氏に御礼申
し上げたい。ご苦労様でした。また、CH研究会を支えていただいた多くの方々に御
礼申し上げるとともに今後のCH研究会の発展にご協力いただきたい。

 次回である第98回人文科学とコンピュータ研究会発表会(CH98)は年度明けであ
る2013年5月13日に大谷大学で開催する予定である。ふるってご参加いただきたい。

(注1) http://www.aa.tufs.ac.jp/ja/projects/jrp/jrp173#jrp17302
(注2) http://jinmoncom.jp/sympo2011/
(注3)奈良文化財研究所とのデータベース連携公開に関する覚書の交換
http://www.hi.u-tokyo.ac.jp/news/2009/090605.html
(注4) http://jinmoncom.jp/sympo2012/

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◇イベントレポート(3)
日本文化デジタル・ヒューマニティーズ拠点 DHワークショップ
「凸版印刷×ARC」
http://www.arc.ritsumei.ac.jp/lib/GCOE/info/2013/02/-dh.html
 (金子貴昭:立命館大学衣笠総合研究機構)

 2013年2月1日(金)、立命館大学アート・リサーチセンター(以下、立命館ARC)
において、立命館大学日本文化デジタル・ヒューマニティーズ拠点DHワークショッ
プ「凸版印刷×ARC」が開催された。

 立命館大学日本文化デジタル・ヒューマニティーズ拠点では、凸版印刷株式会社
(以下、凸版印刷)と協力し、最先端のデジタル技術を文化財のデジタル化に活用
する研究が行われている。これまでの研究成果を踏まえ、最先端のデジタル技術に
よって文化財をどのように記録・可視化できるのか、こうした技術が人文学研究に
どのように活用できるのかをテーマとしたのが今回のワークショップである。

 報告は以下の3本である。

・稲村泰輔氏(凸版印刷株式会社 文化事業推進本部デジタル文化財開発部主任)
 「大型オルソスキャナーによるデジタルアーカイブ」
・飯野浩一氏(凸版印刷株式会社 総合研究所基盤技術研究所部長)
 「文化財資料のデジタル複製」
・筆者(立命館大学 衣笠総合研究機構ポストドクトラルフェロー)
 「板木デジタルアーカイブからわかること-板木に残るいくつかの痕跡」

 稲村氏の報告では、凸版印刷が開発した大型オルソスキャナーの紹介が行われた。
通常、デジタルカメラで俯瞰撮影した画像では、歪みや、正射画像が得られない
(立体物では側面が記録されてしまう)という問題が発生するが、テレセントリッ
クレンズという特殊レンズを用いたオルソスキャナーでは、正確な文化財の大きさ・
形状が色彩に関する情報と同時に記録できるとのことだった。

 飯野氏の報告では、文化財が持つ「質感」の記録に関する技術が紹介された。文
化財は照明の当たり方により、凹凸感や色、光沢感が変化し、従来の照明によるデ
ジタル化では、文化財の持つ質感が十分に記録されない問題があった。凸版印刷で
は、偏角照明撮影による画像を、色・形状・反射特性(光沢)の3つに分解した上で、
それらをCGで再構成することにより、ユーザーが望む照明環境下での文化財の「見
え」を再現する方法が開発されているとのことだった。また、この手法によって記
録されたコンテンツを閲覧できる「質感ビューア」(Windows版、タブレット版)の
紹介も行われた。

 今回の共同研究では、立命館ARCが所蔵する文化財の中から、照明の当たり方によ
る「見え」が変化する摺物(浮世絵の一種、非売品の配り物)と、筆者の専門分野
である板木(浮世絵や板本を印刷するための道具)が素材に選定され、デジタル化
が行われたが、これらのデジタルコンテンツが人文学研究にいかに活用可能かを、
特に「質感ビューア」による観察例にそくして紹介したのが筆者による報告である。

 一般的な照明下では、摺物に凝らされた技法(空摺・正面摺・金銀摺など)、真
っ黒な板木の細部を記録し、画像で観察することは難しい。しかし、それらを稲村
氏・飯野氏が報告された技術によって記録し、そのコンテンツを「質感ビューア」
により観察すれば、原物を目の前に、あるいは手に取って、光の当て方を変えなが
ら閲覧しているかのような感覚で文化財に臨むことができる。

 報告では、「質感ビューア」のデモンストレーション(Windows版)を行いつつ、
摺物に立体感と光沢を持たせている空摺や金銀摺の観察によって摺物の主題に対す
る理解が深化する事例と、板木に残る痕跡の観察によって、入木・挿木・見当につ
いて、従来の板本書誌学にはなかった板本観察の新視点を指摘した。人文系の立場
からのまとめとしては、文化財の原物に極めて近い閲覧・観察ツールとして、また
は展示ケースに収まっている原物を目の前にしながら、文化財の細部に迫り、かつ
自由に動かせる展示ツールとして、「質感ビューア」の有用性を確認した。

 3本の報告終了後は、参加者を交えたディスカッションが行われ、今回のデジタル
化をもってしても足りないものは何か、報告以外に考えられる研究活用の可能性な
ど、活発な議論が交わされた。今回のような取り組みは、ややもすれば文化財原物
の優位性を主張する立場と、技術の有用性を主張する立場が二極化し、かえって両
者の差異や温度差を際立たせる危険性をはらむが、今回のワークショップにおける
ディスカッションでは、異なる立場の人々が集いつつ、双方の立場が優れた記録・
再現とそれらの研究活用という同一ベクトルを向いて議論を進めていたのが印象的
だった。

 今回のワークショップは、凸版印刷と立命館ARCの協力による最初の成果報告であ
り、今後もこの枠組みにおける成果発信は続く。直近では2013年3月15日(金)に京
都文化博物館において開催されるDHワークショップ「デジタル風俗画研究の可能性」
(*1)がある。関心をお持ちの方はご参加を検討されたい。

(*1) http://www.arc.ritsumei.ac.jp/lib/GCOE/info/2013/03/dh-3.html

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◇イベントレポート(4)
「第2回 知識・芸術・文化情報学研究会」
http://www.arc.ritsumei.ac.jp/lib/GCOE/info/2013/02/2.html
 (永崎研宣:人文情報学研究所)

 知識・芸術・文化情報学研究会は、昨年度より始まった、知識・芸術・文化情報
に関する研究発表会である。若手に発表と議論の機会を積ませることを主眼として
いるとのことであり、前回に引き続き、同志社大学・立命館大学・和歌山大学の大
学院生・若手研究者を中心に、多くの発表があった。発表タイトルと発表者は以下
の通りである。

発表1「計量文献学の観点から西鶴遺稿集の検討」
 上阪彩香(同志社大学文化情報学研究科M2)
発表2「ユーザ種別と閲覧時間を考慮したWeb情報探索の行動特性調査」
 遠藤淳一(和歌山大学大学院システム工学研究科M1)
発表3「宝飾鏡の文様にみる天平文化の特質」
 安藤真理子(同志社大学大学院文化情報学研究科M2)
発表4「全文検索エンジン選定支援システムの構築‐検索精度を中心に‐」
 河中健馬(和歌山大学大学院システム工学研究科M2)
発表5「役者評判記自動索引ツールの開発による研究効率の改善」
 山路正憲(立命館大学衣笠総合研究機構RA)
発表6「板木デジタルアーカイブを核とした、近世出版総合デジタルアーカイブの構
想」
 金子貴昭(立命館大学衣笠総合研究機構PD)
発表7「モーションキャプチャ利用による無形文化財(日本舞踊)の継承支援につい
て」
 丸茂美惠子(日本大学芸術学部)・川上央(日本大学芸術学部)・
 小沢徹(日本大学芸術学部)・三戸勇気(日本大学芸術学部)・
 西川箕乃助(日本大学芸術学部)・篠田之孝(日本大学理工学部)

 4人目までは大学院生の発表であり、それぞれに荒削りながら自らの大学院で学べ
ることを懸命に吸収しようとしていることがよく伝わってきて、将来に期待させら
れた。視野の広さがやや不十分であるように見受けられた点についてはそれぞれに
参加者から質問やコメントが寄せられていた。

 筆者の関心から言えば、やはり計量文献学によって井原西鶴の作品の真贋を検討
するという研究や文様のパターンから鏡の来歴を想定するという試みには大きな期
待をしてしまった。また、全文検索エンジン選定を支援してくれるという話には、
継続していけばやがては技術への先入観というあまり有益でないものを払拭してく
れるツールになってくれるかもしれないという期待を持った。

 ただ、若手が発表するだけでなく若手が議論する場を、という主催者側のもう一
つの意図はあまり十分には達成できなかったようである。というのも、筆者も含め、
数人の中堅研究者が議論に参加しただけでそれぞれの持ち時間が終わってしまい、
この点は少し反省するところでもあった。

 それ以降の発表者の方々からはそれぞれにすでに稼働しているツールの紹介があ
り、特に立命館大学アートリサーチセンターからの2人の発表者には確かな手応えを
感じた次第である。とりわけ、板木のデジタルアーカイブについては、様々な面で
新たな境地を切り拓き得ることを改めて予感させていただいた。

 小さな研究会ではあるが、発表者はそれぞれに特色がはっきりしており、少しず
つ領域が重なっているようでもあり、特に若手の発表者の方々にとっては色々な刺
激を受ける良い機会となっているだろう。このような研究会が根付き、若い研究者
が着々と育っていくようになれば、このような学際領域はより豊かになっていくこ
とだろう。

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 配信の解除・送信先の変更は、
    http://www.mag2.com/m/0001316391.html
                        からどうぞ。

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◆編集後記(編集室:ふじたまさえ)
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 今号も充実の内容となりました。巻頭言だけでなく、イベントレポートにおいて
も研究の方法やあり方について触れられていて、研究者ではない私が読んでも興味
深く読ませていただきました。ご寄稿いただいた皆さま、ありがとうございました。

 社会学をかじった身としては、研究対象とするのは基本的に文字に偏っていたと
今になって気づきました。巻頭言で触れられている画像を対象として当時の文化や
歴史を浮かび上がらせていくこと、ゆくゆくは「インフォグラフィック」で成果を
見られるようになることを想像すると、歴史が苦手な私でもだいぶ理解が進みそう
だなと、期待が高まります。今後の研究成果を楽しみにしています。

 成果を誰が見てもわかるようにすることで、その研究が広く認知されるメリット
は、研究者自身だけでなく、それを収集・整理・保存する立場の方にとっても大き
な影響力があると思います。これは、連載記事の「○イベント・出来事」の冒頭の
Social Media Knowledge Exchange(SMKE)のようなプロジェクトが行われているこ
とにも繋がっているのではないでしょうか。

◆人文情報学月報編集室では、国内外を問わず各分野からの情報提供をお待ちして
います。
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人文情報学月報 [DHM019]【後編】 2013年02月27日(月刊)
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【編集者】人文情報学研究所&ACADEMIC RESOURCE GUIDE(ARG)
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