菊池信彦

《連載》「西洋史DHの動向とレビュー ~デジタルヒストリー×パブリックヒストリー~」

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《連載》「西洋史DHの動向とレビュー
      ~デジタルヒストリー×パブリックヒストリー~」
 (菊池信彦:国立国会図書館関西館)

●はじめに
 先日、通勤電車の中でいつものようにKindleを開いたところ、見慣れない本が表
示されていた。ずいぶん前に予約注文をしたまま買ったことすら忘れていたもので、
タイトルは“Public History: A Practical Guide”、イギリスのManchester
Metropolitan UniversityのFaye Sayerによるものである。欧米のDHにおいて
Public History (PH)は、研究成果の一つのあり方として小さくない位置を占めてい
る[1]。PHの定義は様々だが、ここでは、歴史学と一般社会との関係をテーマとし、
歴史学の成果をどのように広めるかについて理論と実践を通じた研究領域としてお
く。もちろん、その担い手は歴史研究者だけに限られるものではなく、各種文化機
関のスタッフあるいは市民自身の手によるものもある。上述の本の他にも、この1か
月ほどの間にいくつかPHに関する記事が登場しているので、本稿ではそれらをまと
めて紹介したい。

《連載》「西洋史DHの動向とレビュー~DHアウォーズ2014ノミネート作にみる西洋史DH~」

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《連載》「西洋史DHの動向とレビュー
      ~DHアウォーズ2014ノミネート作にみる西洋史DH~」
 (菊池信彦:国立国会図書館関西館)

●はじめに
筆者は前号までの2年間、「Digital Humanities/Digital Historyの動向」と題し
て、直近の1か月に発表されたDHのまとめ記事を書いてきた。だが、今号からはその
スタイルを変え、これまで以上に西洋史に特化した記事にしていきたいと思う。こ
の理由について初めに述べておきたい。

なぜスタイルを変えるのか。その理由はシンプルで、もはや一人では動向を追えな
くなってしまったからである。DHに関する情報収集を始めた5~6年前の当初は、英
米の情報ばかりが「網」にかかっていたが、ここ2~3年のうちに英語圏以外に急速
に広がり、ここ1年は月を追うごとにDHの話題が言語的・地理的に多様化していると
感じていた[1]。しかしその一方で、英語とスペイン語ぐらいしか満足に読めぬ自
分が、さも世界のDHの動向として記事を書き続けるのは「欺瞞」に近い。そのため、
一旦仕切り直しをする必要があると感じていた。

ご挨拶

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これまで続けてきた、いわゆる“カレントアウェアネス-R”のようなDHum/DHisの動
向記事は今号で終了となります。これまでご愛読いただきまして、誠にありがとう
ございました。

次号からは、筆者の専門領域である西洋史学に重心を置きながら、それに密接に関
わるようなDHum/DHisの動向について、これまでよりも掘り下げた形で記事を連載し
て参ります。これからもご愛顧のほど、どうぞよろしくお願いいたします。

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DHM 042 【前編】

EAGLE,国際カンファレンスの予稿集を公開

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ギリシア・ローマの碑文をEuropeanaに提供するプロジェクトEAGLE(Europeana
network of Ancient Greek and Latin Epigraphy)が、2014年10月に開催した初の
国際カンファレンスの予稿集を、1月13日に公開した。約30本の古代史・西洋古典に
関わるDHの論文が収録されている。
http://www.eagle-network.eu/eagle-first-international-conference-procee…

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DHM 042 【前編】

Debates in the Digital Humanitiesはミネソタ大学出版局からシリーズ著作物として毎年刊行に

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2012年に紙媒体で、そして2013年にオンラインで刊行されたDebates in the
Digital Humanitiesが、今後はミネソタ大学出版局からシリーズ著作物として毎年
刊行される。1月8日にDebates in the Digital Humanitiesのオンライン版ウェブサ
イトで発表されている。また、最初に予定されているDebates in the Digital
Humanities 2015は、Modern Language Association(MLA)2016の開催にあわせて刊
行予定で、その他の同シリーズの論文も投稿が受付中となっている。
http://dhdebates.gc.cuny.edu/news

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DHM 042 【前編】

Journal of Text Encoding Initiative 8とDigital Humanities Quarterlyの8 (4)が公開

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12月29日、Journal of Text Encoding Initiativeの最新号である第8号のうち、プ
レビュー版として2本の論文が公開された。TEIカンファレンス2013の報告論文との
こと。
http://www.tei-c.org/News/#2014-12-29-jtei_publishes_the_first_two_arti…
http://jtei.revues.org/1025
また、雑誌Digital Humanities Quarterlyの8(4)も刊行されている。
http://www.digitalhumanities.org/dhq/vol/8/4/index.html

UNESCO,研究者向け,図書館員向けのオープンアクセスの意義や手続き等を解説したテキストを刊行

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12月19日、UNESCOは、研究者と図書館員向けそれぞれに、オープンアクセスの意義
や手続き等を解説したテキストを刊行した。研究者向けのものには、学術コミュニ
ケーション、オープンであること(openness)やOAのコンセプト、知的財産権、研
究評価指標などを取り扱っているとのこと。
http://www.unesco.org/new/en/communication-and-information/resources/ne…
http://current.ndl.go.jp/node/27729

PressForward,DHNowの成果としてウェブ情報源のキュレーションと発信に関するレポートを公開

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Digital Humanities Now(DHNow)を提供するジョージメイソン大学歴史とニューメ
ディアセンターのプロジェクトPressForwardが、12月18日、“Best Practices in
Curated Publication: A Guide”を公開した。このレポートでは、DHNowの3年間の
成果を基に作成されたもので、灰色文献であるウェブ情報源を共同でキュレーショ
ンし、発信するためのベストプラクティスが論じられている。
http://pressforward.org/best-practices-in-curated-publication-a-guide/
http://pressforward.org/wp-content/uploads/2014/12/BestPracticesPressFo…

Institute of Historical Researchのブログで人文系研究者向けオンライン研修プラットフォームPORTが紹介される

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1月15日、イギリスのInstitute of Historical Researchのブログに、人文系研究者
向けオンライン研修プラットフォームPORTの紹介記事が掲載されている。 PORTはか
つてHistory SPOTという名で、若手歴史研究者向けのトレーニングサイトだったが、
人文系全般を対象にしたものにリニューアルされたとのことである。
http://blog.history.ac.uk/2015/01/welcome-to-port/
http://port.sas.ac.uk/

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DHM 042 【前編】

全米人文科学基金,絶版の人文系書籍をOA化して提供する助成プログラムを発表

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1月15日、全米人文科学基金は、優れた著作でありながら、現在絶版となっている人
文系の書籍を、電子書籍化してオープンアクセスで提供する助成プログラム“
Humanities Open Book”を発表した。
http://www.neh.gov/news/press-release/2015-01-15/humanities-open-book

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DHM 042 【前編】


 

ISSN 2189-1621 Published by: DHII