ISSN 2189-1621

 

現在地

DHM 019 【前編】

[DHM019]人文情報学月報【前編】

2011-08-27創刊

人文情報学月報
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄Digital Humanities Monthly

             2013-02-27発行 No.019 第19号【前編】 328部発行

_____________________________________
 ◇ 目次 ◇
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
【前編】
◇《巻頭言》「視覚文化研究へのデジタル・ヒューマニティーズ的アプローチ」
 (鈴木桂子:立命館大学衣笠総合研究機構)

◇《連載》「Digital Humanities/Digital Historyの動向
      ~2013年1月中旬から2013年2月中旬まで~」
 (菊池信彦:国立国会図書館関西館)

【後編】
◇人文情報学イベントカレンダー

◇イベントレポート(1)
「TEIの現在・未来 JADH2012:TEIワークショップを振り返って」
 (永崎研宣:人文情報学研究所)

◇イベントレポート(2)
「第97回人文科学とコンピュータ研究会発表会」
 (山田太造:人間文化研究機構本部)

◇イベントレポート(3)
日本文化デジタル・ヒューマニティーズ拠点 DHワークショップ
「凸版印刷×ARC」
 (金子貴昭:立命館大学衣笠総合研究機構)

◇イベントレポート(4)
「第2回 知識・芸術・文化情報学研究会」
 (永崎研宣:人文情報学研究所)

◇編集後記

◇奥付

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
【人文情報学/Digital Humanitiesに関する様々な話題をお届けします。】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
◇《巻頭言》「視覚文化研究へのデジタル・ヒューマニティーズ的アプローチ」
 (鈴木桂子:立命館大学衣笠総合研究機構)

 人間の形質的なヴァリエーションは切れ目なく連続していますが、私の専門分野
である文化人類学では、それを社会集団にカテゴライズするには、カテゴライズす
る本人(集団的自己)が、重要であるとする印(マーカー)を創り出し、それを自・
他の様々な集団に恣意的に当てはめると考えます。そのマーカーは、例えば、肌や
髪の毛の色というような先天的・身体的特徴であったり、箸を使うとか、江戸時代
の武士でしたら、刀を二本さしているとかいうような後天的・文化的特徴であった
りします。

 このことは、今でも日本人が、外国人のことを「金髪、青い目」で表象すること
を考えてみますと容易にわかると思います。この視覚的表象には、外国人はこうあ
るべき、こう描かないと「外国人」に見えないという、日本人による他者の文化的
構築が明確に表れています。「他者のカテゴリーの一つ」としての外国人の「金髪、
青い目」は、そのカテゴリーの構成員の客観的な平均値ではなく、その他者のカテ
ゴリーを代表するマーカーとして、日本人(集団的自己)が恣意的に選んだもの、
「お約束」(コンベンション)です。これを換言すれば、人のカテゴライゼーショ
ンや他者の想定は、自明の理や「一目瞭然」ではないということです。

 この単に生物学的機能だけではない、視覚や視覚的過程の文化的構築に注目し、
1990年代初めから急速に研究が進んできた学術分野が「視覚文化研究」、文化人類
学の立場からいえば「美術史としての文化人類学」です。視覚文化研究は、見る者
(spectator)を一元化せず、見る者(の集団)によって、見たものの意味付けの仕
方は異なると考えます。ものの見方・見え方は、その者や集団の権力の有無に関係
し、その権力の有無は、ジェンダー・人種・民族性・階級などに基づく他者との対
比により理解される、歴史・文化・社会集団によるところが大きいと考えます。

 見る者を一元化しないというスタンスは、様々な社会集団や階級の世界観、日常
的・口語的・地方特有の視覚性、芸術的なイメージの構築以外の視野の社会的構築
(特定の芸術家やそのコミュニティ、芸術作品、その制作過程といった、従来の美
術史の対象を越えた)を研究対象にすることを可能にし、また、そういったものを
研究する手段として視覚的資料の有効性にも着目しています。

 その中でも、私は、浮世絵を研究資料とし、江戸時代の浮世絵の購買層の主流で
ある町人を集団的自己と位置づけ、彼らを中心とし、そこから理解されうる地理的・
社会的に周辺に存在するものとしての「他者」、その視覚的表象についての研究に
取り組んでいます。逆に言えば、自己が、どういった他者に取り巻かれていると感
じ、他者との境界・距離感をどのように定めているかということで、町人・庶民と
いわれた人々の視点、世界を見たり、視覚的表象を構築したりするプロセスを解明
していくことを目標としています。

 そのような視点で、他者性・外国性を浮世絵に探しているのですが、そのために
なくてはならない研究用のツールが、イメージ・データベースです。現在、世界中
で浮世絵のデータベース化が進行しています。私が所属します立命館大学アート・
リサーチセンターの「浮世絵検索閲覧システム」には、現在27万件近くのデータが
蓄積されています。この数と情報量から得られる知見は、従来型の美術史研究のみ
ならず、浮世絵の生産・消費・受容に関わった社会集団とその文化の研究に、つま
り近世・近代の視覚文化研究に、多大な示唆を与えてくれるものであるといえます。

 研究資料としての浮世絵の有利点はいくつかありますが、製作地と年代・絵師が
比較的特定しやすく、そして画題が付いているものが多くあり、浮世絵の生産・消
費、すなわち出版文化に関わった社会集団の、その時代での共通の解釈を理解する
手立てとなっているという点で特に優れています。文化人類学的に言うと、過去の
人が書いてくれたフィールドノートや、民族誌のような役割を、浮世絵が果たして
くれていると言えるでしょう。

 研究の具体的な手法としては、イメージ・データベースと、それに付随して開発
された書き込み型データベースの付箋型機能・キーワード機能を利用して、近世・
近代日本社会で広く共有された視覚文化としての浮世絵に表象・視覚化された様々
なイメージの集合としての「イメジャリー」の様相を研究し、他者がどのように表
象・視覚化されたかを検証し、集団的自己・他者のそのカテゴリー化の在り方、即
ち、カテゴリーの構築・維持・歴史的変遷を論じ、視覚文化研究へのデジタル・ヒ
ューマニティーズ的アプローチを試みています。これまでの研究結果との比較によ
り、視覚文化研究に対するデジタル・ヒューマニティーズ的アプローチの方法の有
効性を検証し、それと同時に、「他者」の視覚化・カテゴリー化の論理的モデルを
深化させることを目標としています。

 膨大なイメージ・データベースと優れた検索機能は、自己・他者のカテゴリー化
の在り方、その構築・維持・歴史的変遷や、類型をみるという点で、たいへん有効
な研究ツールであると思います。将来的には、それぞれの他者性や外国的要素をイ
ンフォグラフィックで視覚化していきたいと思っています。

執筆者プロフィール
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
鈴木桂子(すずき・けいこ) 立命館大学衣笠総合研究機構教授 Ph.D.(人類学)/
アート・リサーチセンター副センター長。近著に「浮世絵にみる他者の構築-「唐
人」という視点から考える」(『風俗絵画の文化学II 虚実をうつす機知』(松本
郁代、彬子女王、出光佐千子:共編)、思文閣出版、2012)Pp. 206-230がある。

Copyright(C)SUZUKI, Keiko 2013- All Rights Reserved.
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
◇《連載》「Digital Humanities/Digital Historyの動向
      ~2013年1月中旬から2013年2月中旬まで~」
 (菊池信彦:国立国会図書館関西館)

 前号に引き続き、2013年1月中旬から2月中旬までのDigital Humanities/Digital
Historyに関する動向をまとめた。

○新聞・ブログ記事
 Bruce Holsinger(バージニア大)が運営するブログ“Burnable Books”で、「西
洋中世研究におけるビッグデータ」をテーマとしたシリーズ記事“Medieval
Studies in the Age of Big Data”が掲載されている。Martin Foys(ドルー大学)
やElaine Treharne(スタンフォード大)等といった、Digital Humanities/
Digital History分野の中世研究者6人による連載となっている。
http://burnablebooks.com/medieval-studies-in-the-age-of-big-data-a-seria...

 2月3日、カナダにあるウェスタン大のWilliam J Turkelのブログに、同大学の歴
史学部で開設準備中のDigital Humanities/Digital Historyの学習・研究用スペー
スについての紹介記事が掲載されている。記事では、歴史GISやデジタル化作業、イ
メージプロジェクション等の項目ごとに、このスペースで提供予定のものについて
紹介している。
http://williamjturkel.net/2013/02/02/the-history-department-with-a-fab-lab/

 2月17日、HASTACのDigital Historyグループが “Spring Spotlight Series”と
題したブログの連載記事をスタートさせた。2週間に一度、4月21日までの計5回の連
載を予定しており、各回、Digital Historyプロジェクトを実施している研究者3人
を招いたグループインタビュー形式となっている。

 初回では、ベトナム系アメリカ人のオーラルヒストリープロジェクト、ラテン系
女性に関するアーカイブプロジェクト、南アジア系アメリカ人についてのデジタル
アーカイブプロジェクトの3つが取り上げられており、各プロジェクト立ち上げの経
緯とその運営体制、ターゲットとしているコミュニティとの関係構築等をテーマに、
担当者3名がそれぞれインタビューに答えている。

 次回以降は、歴史教育におけるモバイル端末の利用、人権をテーマとしたアーカ
イブとデータ分析の関係について、そして、スタンフォード大とデューク大での
Digital Historyプロジェクトについて取り上げられることになっている。
http://hastac.org/blogs/bendavidweber/2013/02/11/digital-history-groups-...
http://hastac.org/blogs/lgmerchant2010/2013/02/17/spring-spotlight-1-dec...

○イベント・出来事
 1月29日、Social Media Knowledge Exchange(SMKE)という若手研究者向けに図
書館等のソーシャルメディアの活用法等を伝えるイギリスのプロジェクトが、英国
国立公文書館、英国図書館、オックスフォード大ボドリアン図書館の職員を講師に
招き、特に歴史研究者を対象としたワークショップを開催した。これに関連して、
SMKEの一プロジェクトである“Blogging for Historians”は、1月9日に実施した英
国国立公文書館のブログ担当者とのインタビュー記録をウェブサイトで公開してい
る。

 このような活動をDigital Humanities/Digital Historyの動向として取り上げて
いることには少し説明が必要かもしれない。Digital Humanities/Digital History
は、例えばAlan Liu(カリフォルニア大サンタバーバラ校)らによる“4Humanities
”や、アイオワ大の“Public Humanities in a Digital World”等のように、市民
に対して学問の意義やその成果を発信するPublic Humanities/Public Historyとの
結びつきが強い。これに対し、日本ではデジタル技術を研究に活用することに熱心
であっても、その成果を一般に広める上でデジタル技術を活用することにはあまり
積極的ではないように思われる。もちろんPublic Humanities/Public Historyには
アメリカ等それぞれの国での歴史的な経緯や文脈があるのだが、日本の人文学/歴
史学のおかれている状況を思えば、Digital Humanities/Digital Historyの文脈で
これらの取り組みは紹介されるべきだと筆者は考えている。
http://ihr-history.blogspot.jp/2013/01/how-can-historians-develop-effect...
http://www.smke.org/the-smke-social-media-workshop-the-growing-importanc...
http://bloggingforhistorians.wordpress.com/2013/02/14/the-national-archi...
http://4humanities.org/
http://www.uiowa.edu/~phdw/

 2月2日、Digital Humanities Summer School Switzerlandの参加登録受付が開始
された。サマースクールは6月26から29日にスイス・ベルン大学で開かれ、同国では
初の開催となる。主催はスイスの歴史学ポータル“infoclio.ch”。
http://www.dhsummerschool.ch/
http://www.infoclio.ch/

 同じく2月2日、ALLC: The European Association for Digital Humanitiesの会長
で、フィンランドのLisa Lena Opas-Ha"nninen教授(オウル大学)が、ヘルシンキ
で亡くなられた。これに関しDigital Humanities関連の学協会組織はそれぞれ哀悼
の意を示す文章をウェブサイトに掲載しており、日本からは大阪大学の田畑智司准
教授による追悼文が日本デジタル・ヒューマニティーズ学会(JADH)のウェブサイ
トに掲載されている。
http://www.allc.org/news-events/obituary-lisa-lena-opas-h%C3%A4nninen
http://www.jadh.org/obituary

 2月5日、今年で3回目となる“Digging into Data Challenge”の募集が始まった。
カナダ、オランダ、イギリス、アメリカの4か国、計10団体によるDigital
Humanities助成プログラムであり、応募要件には少なくとも2か国以上のメンバーか
らなる国際チームであることとされている。
http://www.diggingintodata.org/

 2月14日、Open Knowledge Foundationが、Digital Humanities Quarterlyの支援
の下で “Open Humanities Awards”の実施を発表した。これは、オープンコンテン
ツやオープンデータ、オープンソースツールを利用した人文学教育や研究を行う3か
ら5年のプロジェクトへの助成プログラムで、応募はEU市民に限られている。
http://openhumanitiesawards.org/
http://www.allc.org/news-events/announcing-open-humanities-awards

 2月18日に“Digital Humanities Awards 2012”の結果が発表された。選考はノミ
ネートに対するウェブ投票によるもので、投票総数は4,101件であった。「DHツール」
はOmeka、「DHブログ・論文・小規模刊行物」ではDigital Humanities Now等、計6
部門でそれぞれの受賞者/受賞プロジェクトが発表されている。
http://dhawards.org/dhawards2012/results/

○プロジェクト・ツール
 1月11日、1000年から1500年までのブリテン島における手稿史料・初期刊本を検索
できる“Manuscripts Online”が正式リリースされた。これは、シェフィールド大
やレスター大学等による共同プロジェクトで、1500年から1900年までの史料検索が
できるConnected Historiesの姉妹版という位置づけとなっている。
http://www.manuscriptsonline.org/
http://manuscriptsonline.wordpress.com/
http://digitalriffs.blogspot.jp/2013/01/the-function-structure-and-futur...

 1月18日、科学・技術・医療(STM)系のオープンアクセスメガジャーナルPLOSの
人文・社会科学版を目指した“Open Library of Humanities”が発足した。現在は
PLOSのアドバイスを受けながらの体制づくりの段階にあるが、既に世界の多くの研
究者の注目を集めるプロジェクトとなっている。
http://www.openlibhums.org/
http://current.ndl.go.jp/e1395

 1月24日、Omekaのver.2.0がリリースされた。管理者画面の刷新や検索機能の改善
がなされている。
http://omeka.org/blog/2013/01/24/omeka-2-0-drops-today/

 1月25日、“History SPOT”が歴史研究者向けのテキストマイニングの入門ウェブ
講座の提供を開始した。利用にあたっては登録(無料)が必要。なお、History
SPOTとは、イギリスのInstitute of Historical Researchが行っている歴史研究者
向けのイベント・研修プロジェクトのこと。
http://ihrprojects.wordpress.com/2013/01/25/text-mining-for-historians/

 1月30日、バチカン図書館は、所蔵しているプラトンやホメロス等の写本256点を
デジタル化公開した。これは、2012年4月に発表された、同館とオックスフォード大
学ボドリアン図書館との共同デジタル化プロジェクトに基づくもの。今後も資料公
開は続けられる。
http://www.vaticanlibrary.va/home.php?pag=mss_digitalizzati&BC=11

 1月31日、沖縄県公文書館が、米国国立公文書館から収集した沖縄戦や沖縄統治に
関する米政府文書の全文デジタルデータを公開した。また、2月5日には、所蔵して
いる16万簿冊の琉球政府文書の一部をデジタル化し、試行的に公開している。
http://www.archives.pref.okinawa.jp/publication/2013/01/2013131.html
http://www.archives.pref.okinawa.jp/publication/2013/02/pdf-web.html

 2月4日、高・中・低所得経済国をまたいでDigital Humanitiesの研究者間の連携
促進を目指す組織GO::DHが、“Around DH in 80 Days”というプロジェクトを発表
した。北米、ヨーロッパ、日本以外の国でのDigital Humanities研究プロジェクト
を80日間かけて紹介していこうというもの。現在、紹介候補となるDigital
Humanitiesプロジェクトの一覧がGoogle Docsで作成されており、各国の様々なプロ
ジェクトを知ることができる。
http://www.globaloutlookdh.org/around-dh-in-80-days/
https://docs.google.com/spreadsheet/ccc?key=0AmgLcm5jfVhSdGlPNm1WQ0hRYjF...

 2月15日、オランダ王立図書館が1850年から1940年までの雑誌80タイトルをデジタ
ル化公開した。公開された資料は、オランダ王立図書館だけでなく、アムステルダ
ム大学図書館やアムステルダム公共図書館等の所蔵で、文学や宗教、科学、法律、
政治等、様々な領域にまたがっている。
http://tijdschriften.kb.nl/
http://www.kb.nl/nieuws/nieuwsarchief-2013/kb-en-rechtenorganisaties-wer...

 2月16日、Alliance of Digital Humanities Organizationsが、Twitter(
@ADHOrg)、Facebook、Google+のアカウントを開設したと発表している。
http://adho.org/announcements/2013/social-media-presence-adho

 2月20日のEuropeana Professionalのブログに“EAGLE”というプロジェクトの紹
介記事が掲載されている。“EAGLE”は、EUのデジタル資料ポータルサイト“
Europeana”へ古代ギリシアやローマの碑文史料の登録を目指している図書館・文書
館のネットワーク組織である。このEAGLEを通じて、欧州25か国、150万点以上の碑
文史料とそのメタデータ(一部史料については翻訳も)がEuropeanaへ提供される予
定となっており、これは地中海世界の碑文史料の約80%をカバーするものという。
さらにEAGLEでは旅先で碑文を見かけた際にその内容を理解するためのアプリや、碑
文初心者向けに碑文に関する話を紹介するストーリーテリングアプリも開発予定と
されている。ちなみに、碑文データベースと言えばハイデルベルク大学の“
Epigraphic Database Heidelberg”があるが、EAGLEはそのプロジェクトパートナー
である。
http://pro.europeana.eu/web/guest/pro-blog/-/blogs/eagle-to-make-classic...
http://www.digitalmeetsculture.net/article/eagle-europeana-network-of-an...
http://edh-www.adw.uni-heidelberg.de/home

○論文・学術雑誌・研究書
 このほど刊行された『Journal of Library Administration』(2013, 53(1))が、
“Digital Humanities in Libraries: New Models for Scholarly Engagement”と
いう特集を組んでいる。序論を含め計7本の論文が収録されている。雑誌自体は購読
者のみ利用可能だが、著者のブログや大学のリポジトリ等でオープンアクセス版が
公開されている。
http://www.tandfonline.com/doi/abs/10.1080/01930826.2013.756680
http://chrisalensula.org/digital-humanities-and-libraries-a-conceptual-m...

 アメリカのMary Ann Liebert社から、ビッグデータに関する査読付きオープンア
クセス誌“Big Data”が創刊された。
http://online.liebertpub.com/toc/big/1/1

○レポート・報告書
 1月29日、アメリカのITHAKA S+Rが、図書館等の文化機関におけるデジタルコンテ
ンツの永続的な保存をテーマにした調査レポート“Sustaining Our Digital Future
”を刊行した。
http://www.sr.ithaka.org/research-publications/sustaining-our-digital-fu...

特殊文字については次のとおり表記しました。
ウムラウト:a"

Copyright(C)KIKUCHI, Nobuhiko 2013- All Rights Reserved.
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 続きは【後編】をご覧ください。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 配信の解除・送信先の変更は、
    http://www.mag2.com/m/0001316391.html
                        からどうぞ。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

◆人文情報学月報編集室では、国内外を問わず各分野からの情報提供をお待ちして
います。
情報提供は人文情報学編集グループまで...
       DigitalHumanitiesMonthly[&]googlegroups.com
                  [&]を@に置き換えてください。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
人文情報学月報 [DHM019]【前編】 2013年02月27日(月刊)
【発行者】"人文情報学月報"編集室
【編集者】人文情報学研究所&ACADEMIC RESOURCE GUIDE(ARG)
【E-mail】DigitalHumanitiesMonthly[&]googlegroups.com
                 [&]を@に置き換えてください。
【サイト】 http://www.dhii.jp/

Copyright (C) "人文情報学月報" 編集室 2011- All Rights Reserved.
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

Tweet: