特別レポート「ロシアにおける電子図書館と著作権」
◇特別レポート「ロシアにおける電子図書館と著作権」
(松下聖:筑波大学大学院人文社会科学研究科)
中国に次ぐ「コピー天国」と称されるロシア。実際ロシアの都市では、あきらか
に海賊版のDVDやCDが露店で堂々と売られている。近年は取り締まりも強化されたよ
うだが、ネットを探せば多くのMP3等のデータファイルが無料でダウンロードできて
しまう。
電子書籍についても例外ではなく、電子図書館(Электронная
библиотека:elektronnaya biblioteka)や電子図書
(Электронная книга:elektronnaya kniga)と検索すると、無
料で古典から現代の文芸作品等を読めるサイトが星の数ほどヒットする。もちろん
有料販売や著作者の承諾を得て配信しているサイトもあるのだが、違法な配信が約
8割を占めるというから驚きだ。
その一方で、ロシア連邦政府は近年、著作権法や図書館法を改正し、ネット上で
電子資料を扱う枠組みの構築や、公的な電子図書館の整備に向けて本格的に動き出
している。
本稿ではそんなロシアにおける、電子図書館および著作権にまつわる歴史や最新
事情を紹介する。
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