ISSN 2189-1621

 

現在地

DHM 077 【後編】

2011-08-27創刊                       ISSN 2189-1621

人文情報学月報
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄Digital Humanities Monthly

             2017-12-29発行 No.077 第77号【後編】 706部発行

_____________________________________
 ◇ 目次 ◇
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

【前編】

◇《巻頭言》「2017年の関連イベントを振り返って」
 (永崎研宣:人文情報学研究所)

◇《連載》「Digital Japanese Studies寸見」第32回「研究を助けるプログラミング:淺尾・李『言語研究のためのプログラミング入門:Pythonを活用したテキスト処理』に寄せて」
 (岡田一祐:国文学研究資料館古典籍共同研究事業センター)

【後編】

◇人文情報学イベントカレンダー

◇イベントレポート(1)「IIIF(International Image Interoperability Framework)ワークショップin九州 参加レポート」
 (大谷周平:琉球大学附属図書館、ORCID iD: 0000-0003-0175-8641)

◇イベントレポート(2)「じんもんこん2017・アイデアソン参加レポート」
 (王一凡:人文情報学研究所)

◇編集後記

◇奥付

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
【人文情報学/Digital Humanitiesに関する様々な話題をお届けします。】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
◇人文情報学イベントカレンダー(■:新規掲載イベント)

【2018年1月】

■2018-01-06(Sat)~2018-01-07(Sun):
国際シンポジウム「デジタルアーカイブ時代の人文学の構築に向けて-仏教学のための次世代知識基盤の構築」
(於・東京都/東京大学)
http://21dzk.l.u-tokyo.ac.jp/kibans/events.html

□2018-01-20(Sat):
漢字文献情報処理研究会 JAET 第20回大会
(於・京都府/花園大学)
http://jaet.sakura.ne.jp/

■2018-01-27(Sat)~2018-01-28(Sun):
情報処理学会 人文科学とコンピュータ研究会第116回研究発表会
(於・北海道/函館コミュニティプラザGスクエア シエスタハコダテ)
http://www.jinmoncom.jp/

【2018年3月】

□2018-03-03(Sat):
人文系データベース協議会 第23回公開シンポジウム「人文科学とデータベース」
(於・大阪府/大阪府立大学)
http://www.jinbun-db.com/news/23th_cfp

■2018-03-09(Fri)~2018-03-10(Sat):
デジタルアーカイブ学会第2回研究大会
(於・東京都/東京大学 本郷キャンパス)
http://digitalarchivejapan.org/1562

Digital Humanities Events カレンダー共同編集人
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
小林雄一郎(日本大学生産工学部)
瀬戸寿一(東京大学空間情報科学研究センター)
佐藤 翔(同志社大学免許資格課程センター 助教)
永崎研宣(一般財団法人人文情報学研究所)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
◇イベントレポート1「IIIF(International Image Interoperability Framework)ワークショップin九州 参加レポート」
 (大谷周平:琉球大学附属図書館、ORCID iD: 0000-0003-0175-8641)

 筆者は2017年10月20日に九州大学附属図書館で開催されたIIIF(International Image Interoperability Framework)ワークショップin九州[1]に参加する機会を得た。前号で永崎研宣氏から報告されたIIIF Japan東京ラウンドテーブルを初めとして2017年10月16日から20日にかけて日本でIIIF関係のイベント[2]が複数開催された。福岡でのワークショップはそのトリを飾るものであり、講演だけでなくIIIFを活用する実習が組み込まれていた点が他の関連イベントにない特徴である。

 前半の講演ではIIIFコミュニティの主要メンバーであるSheila Rabun氏やTom Cramer氏らから、IIIFの概要や機能、今後の開発計画などが紹介された。続いて、スタンフォード大学図書館司書のReagan Murphy Kao氏から江戸~大正期の日本の旅行関係資料をデジタル化・IIIFで公開し、授業で活用した事例[3]が報告された。全編英語であったが、画像や動画がふんだんに使われており、3Dモデルも含めた科学データへの対応、機械学習への活用事例なども紹介され、人文系に留まらないIIIFの可能性を感じた。

 後半は永崎氏のインストラクションにより、2つのツールを活用した実習が行われた。一つめは人文学オープンデータ共同利用センターが開発したIIIF Curation Viewer[4]を利用したものである。IIIFを用いて公開されている画像から、必要なものを手元のブラウザに収集して、自由に並べ替えやクリッピングするというものであった。今後、自分が作成したコレクションをWeb上で共有する機能の開発も検討されているということであった。
二つめはOmeka[5]、IIIF toolkit with Mirador[6]というオープンソースソフトウェアによって構築された環境上で、参加者が共同でアノテーション(注釈)を付与し、地図・年表上にマッピングする[7]というものであった。

 筆者は以前よりIIIFに関心を持っており、どのようなことが実現出来るのかということはある程度把握していたつもりだった。しかし、今回のワークショップに参加することで、複数機関に散在するデジタルコンテンツを収集して比較すること、20人以上で同時にアノテーションを行い、その結果がすぐに共有されること、それが簡単な環境構築とブラウザ操作だけで実現するということに改めて衝撃を受けた。

 講演・実習を通じて、IIIFを採用することによりデジタルアーカイブのコンテンツがどのように研究・教育に活用されるのかということが実感できるワークショップであった。当日の参加者によるTweetをまとめたものもあわせてご参照いただきたい[8]。

[1]九州大学大学院統合新領域学府ライブラリーサイエンス専攻主催「IIIF(International Image Interoperability Framework)ワークショップin九州」 https://www.lib.kyushu-u.ac.jp/ja/events/20171020
[2]IIIF Japan http://iiif.jp
[3]Travel Through Time: Japan https://exhibits.stanford.edu/time-travel-japan
[4]IIIF Curation Viewer http://codh.rois.ac.jp/software/iiif-curation-viewer/
[5]Omeka https://omeka.org
[6]IIIF Toolkit with Mirador https://omeka.org/add-ons/plugins/iiif-toolkit-with-mirador/
[7]ワークショップで大宰府の絵図に共同注釈をいれた結果 http://digital.culturalresources.jp/iiifomeka/neatline/fullscreen/iiif-h...
[8]当日の関連Tweetまとめ https://togetter.com/li/1166213

Copyright (C) Otani, Shuhei 2017 All Rights Reserved.
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
◇イベントレポート2「じんもんこん2017・アイデアソン参加レポート」
 (王一凡:人文情報学研究所)

 2017年12月9日・10日にかけて、情報処理学会人文科学とコンピュータ研究会が主催する人文科学とコンピュータシンポジウム「じんもんこん2017」が大阪市立大学杉本キャンパスで開催された。また、それに先立つ12月8日には、既に恒例となった感のある併設イベント「歴史的典籍オープンデータワークショップ(アイデアソン)」が大阪市立大学文化交流センターで開催された。このたび筆者は全3日間にわたって同イベントへ参加することがかなったので、会場の様子をお伝えしていきたいと思う。

じんもんこんサイト
http://jinmoncom.jp/sympo2017/
アイデアソンサイト
http://www.nijl.ac.jp/pages/cijproject/ideathon2017.html

(1)アイデアソン

 本イベントは人間文化研究機構国文学研究資料館の「歴史的典籍NW事業」の一環として同館が主催している、誰でも参加できるブレインストーミング型イベントであり、今年で3回目を迎える。
第1回アイデアソンの成果の一つである「江戸料理レシピデータセット」( http://codh.rois.ac.jp/edo-cooking/ )がクックパッドなどとの連携により大きな反響をもたらしたことを覚えている方も少なくないであろうが、今回は「新日本古典籍総合データベース」( https://kotenseki.nijl.ac.jp/ )の公開を機に、豊富な古典籍画像を活用できる「キュレーションサイト」をテーマとして、参加者らがアイデアを出しあった。

 まず、国文学研究資料館のデータベースをはじめとする各方面の取り組みや技術の動向を紹介したのち、参加者らは6つのテーブルに分かれ、それぞれ思い思いの意見を交わした。筆者のテーブルは研究者とシステム開発企業のスタッフが同席しており、楽しく議論しながら、最終的にさまざまな用途別・テーマ別の画像セット集を作成したり、食品などにそれらの画像を印刷してイベントで販売したりするなどの発想に行き着くこととなった。

 最後に全グループ合同で発表を行ったが、多様な参加者の面々を反映して奇抜なアイデアが多く飛び出しただけでなく、発表の仕方も工夫が凝らされていた。絵巻物の一コマからまるで聖火ランナーのように見える人物が切り出されたり、プロジェクターの光を背中に当てて実寸大(?)のタトゥーシールのデモをしたりなど、とにかくサプライズに満ちていた。今回のアイデアソンは時間を遅めに取ったためにディスカッションの時間が1時間と短かったが、昨年と変わらず多人数による自由な発想のパワーを感じさせられた。

(2)シンポジウム

 今年のシンポジウムは15年ぶりに大阪市立大学を会場とし、「人文学の継承と革新を促進する情報学」と題して、2日間にわたり2会場各4セッションの口頭発表と、各日1回ずつのポスターセッションが行われた。口頭発表は計19件、ポスター・デモ発表は計20件が集まり、歴史・芸術・民俗・地理・文字情報、さらには医療など幅広いジャンルからの多様なアプローチの発表が一堂に会した。加えて、基調講演として京都大学古地震研究会の加納靖之氏が登壇し、今年話題となった「みんなで翻刻」につながる研究活動の概観と構想を述べた。
また、2日目午前は国立歴史民俗博物館の企画セッションとして一般公開され、各種ツールのチュートリアルと紹介が行われた。

 口頭発表はパラレルセッションの性質上、残念ながらすべての発表を聞くことはできなかったが、既存の研究資産やデータベースに基づいてより発展的、あるいは精緻な分析を加えていこうとするものと、新しい方法論やモデルの導入をめざしたものが半々程度の割合に思われ、それぞれ興味深い内容のものが多かった。個人的に特に印象に残ったのは、文書画像を文字化することなく画像のまま情報を引き出そうという取り組みの発表であった。
学生奨励賞に輝いた和歌山大学の永井謙也氏の「系図からのデータ自動取得の試み」では、系図の線のつながりを解析して自動的に系譜をデータ化する試みが紹介された。また、CODHの北本朝展氏の「時系列資料の人機分担構造化」でも改版の多い『武鑑』データの入力支援のため、画像差分を視覚的に表示して活用する仕組みを提示していた。

 ポスターセッションでもより多彩でユニークな着想による発表が多く、楽しくかつ有意義に感じられた。例えば筑波大学の土井裕人氏の発表では、文献内の主要概念の関係グラフを3Dプリンタで出力して教材に活用する取り組みを扱い、その実際のモデルに触れることができた。東京藝術大学の宇津木安来氏の発表では、日本舞踊における腰の動きをモーションキャプチャした結果、指導言語である「腰を動かさない」に反して熟練者の腰がきわめて動的に使われていることを発見し、学生奨励賞を獲得した。
このほか、デモとして国立国語研究所でデータベース化された貴重な古い記録音声を試聴することもできた。

 国立歴史民俗博物館の企画セッション「歴史研究と人文研究のためのツールを学ぶ」では国内外の主要な人文学向けデジタルツールの実演と紹介が行われ、本セッションのみの一般参加者も多数訪れていた。じんもんこんにおいて、ツール開発の研究発表ではなくユーザーへのツール普及をめざした実用的なハンズオンセッションが行われるのは今回が初めてらしく、画期的なことである。
セッションでは初めにデジタルアーカイブのCMSであるOmeka、暦変換などが可能な時間情報サービスのHuTime、木簡などのくずし字類似検索のMOJIZOについて、経験者または作者自身による比較的詳細なチュートリアルがあり、参加者はその場でパソコンを使い、手を動かしながら各ツールの使い方を学んでいた。その後各種関連ツールの簡単な紹介に移り、筆者もその末席に連ねていただいた。合わせて2時間というタイトなスケジュールであったが、密度の高い内容であった。

企画セッションの関連ページ
http://www.metaresource.jp/jinmon-tools/

Copyright (C) WANG, Yifan 2017 All Rights Reserved.
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 配信の解除・送信先の変更は、
    http://www.mag2.com/m/0001316391.html
                        からどうぞ。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆編集後記(編集室:ふじたまさえ)
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 今月の人文情報学月報はいかがでしたか?今月は巻頭言もふくめ、コンパクトながらさまざまな視点からのレポートが集まりました。ご寄稿いただいたすべてのみなさまに感謝申し上げます。ありがとうございます!

 2017年も残りわずかです。来年も引き続き、さまざまな視点からのレポート、ご寄稿をお待ちしています!

◆人文情報学月報編集室では、国内外を問わず各分野からの情報提供をお待ちしています。
情報提供は人文情報学編集グループまで...
       DigitalHumanitiesMonthly[&]googlegroups.com
                  [&]を@に置き換えてください。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
人文情報学月報 [DHM077]【後編】 2017年12月29日(月刊)
【発行者】"人文情報学月報"編集室
【編集者】人文情報学研究所&ACADEMIC RESOURCE GUIDE(ARG)
【 ISSN 】2189-1621
【E-mail】DigitalHumanitiesMonthly[&]googlegroups.com
                 [&]を@に置き換えてください。
【サイト】 http://www.dhii.jp/

Copyright (C) "人文情報学月報" 編集室 2011- All Rights Reserved.
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

Tweet: