《連載》「西洋史DHの動向とレビュー ~デジタルヒストリー×パブリックヒストリー~」
《連載》「西洋史DHの動向とレビュー
~デジタルヒストリー×パブリックヒストリー~」
(菊池信彦:国立国会図書館関西館)
●はじめに
先日、通勤電車の中でいつものようにKindleを開いたところ、見慣れない本が表
示されていた。ずいぶん前に予約注文をしたまま買ったことすら忘れていたもので、
タイトルは“Public History: A Practical Guide”、イギリスのManchester
Metropolitan UniversityのFaye Sayerによるものである。欧米のDHにおいて
Public History (PH)は、研究成果の一つのあり方として小さくない位置を占めてい
る[1]。PHの定義は様々だが、ここでは、歴史学と一般社会との関係をテーマとし、
歴史学の成果をどのように広めるかについて理論と実践を通じた研究領域としてお
く。もちろん、その担い手は歴史研究者だけに限られるものではなく、各種文化機
関のスタッフあるいは市民自身の手によるものもある。上述の本の他にも、この1か
月ほどの間にいくつかPHに関する記事が登場しているので、本稿ではそれらをまと
めて紹介したい。
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